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紺色の服の柴咲コウと赤色のワンピースの橋本愛、おんなふたりの愛のカタチを比較させながら、山田・菅田おとこふたりの過去を浮き上がらせた第5話も面白く見応えありました。バレないように嘘をつく菅田の慌て振りに、探りを入れながら彼を味方に引き込む強かな橋本のやり取りから、二人が他人には見せないであろう表情に変わるまでの心情の流れがいい。特に、いいお兄さんだったと聞かれたときの菅田将暉の表情が素晴らしい。優れた脚本は役者の演技を昇華させます。またカメラワークとカットの精密さに、今回は色彩の鮮やかな美しさが加わり、視覚的な楽しみがありました。紺と赤を際立たせるための緑や黄色や白を配置し、全体の抑えたトーンの中に原色を際立たせる独創的映像美でした。 演出で面白かったのは、小学校に侵入した鉄棒の場面で橋本が突然走り出すところです。呆気にとられた菅田の後に校舎から現れる職員の引きのカットで意味が分かりますが、この些細なシーンでも橋本演じる女性の性格表現に繋がっていることです。上手いというか手を抜いていない丁寧な演出だと思いました。 山田と柴咲の観念的な台詞も面白かった。微妙な関係を長く引きずる二人に、これから進展があるのか楽しみにしたいです。 ひとつ疑問は、菅田との会話で見せる橋本の人を見る目の確かさが、瀕死の事故にあった彼との関係では生かされていなかったことです。恋は盲目以上を期待してもおかしくないところですが、今のところ赤いワンピースのおんなで納得します。
頭脳明晰、ネットを駆使した調査や追い詰め方と
心と足で繋がるアナログなやり方が調和が見事で美しい。
そして共通して「温かい心と信念」があるということ。
面白いという表現は今回は避けます。
悲しい結末でしたが、余韻まで意味のある見応え十分の回でした。
とにかく深夜ドラマのレベルではないです。
1時間ドラマなのに毎週、良作の映画を観てる気分になれます。
見終わってっすぐに「5本のバラ」を検索した人はいっぱいいただろう。寂しい人生ではなかったという優しい想像が心地良い。
しばらく余韻が抜けなかった。
これから視聴する方は必ず最後まで観て欲しい。
安っぽさはプンプンするが、ありそうでなかったいいドラマだ。
すっかり騙された。
ありがちな話にかなり退屈したが、前回同様、最後の最後に山田孝之のセリフにひっくり返される。
それが、いわば絶望オチである。
同局『遺留捜査』の上川隆也三分劇場とは真逆のようなものだ。
この絶望オチ、しかも死者に対するものだというのに、後味は悪くない。
人の綺麗な面の話ばかりに救われるわけではない。
誰もが邪な部分を普通に持っているということに救われることはある。
我が一人娘はドラマの女性の設定とたまたま同年生まれ、私にとっては考えオチでもあった。
放送後のネタバレはOKというルールに沿って、ネタバレを書く。
視聴された方も最後までしっかり観ていないとおわかりになりにくい。
視聴前の方は、これ以下はご自身で判断してください。
deleのいつもの顧客同様、死後データ削除を依頼した女性が心不全により突然死寸前「deleの人へ やっぱりデータは消さないでください。」と書き残す。
父親との確執により家を飛び出て暮らしていた彼女が残したデータは本人の生前葬。
こんなに自分を大切に思ってくれる友人たち仲間たちがいたことをやっぱり両親に伝えたくなったのだろうと思わせる。
ところがそれは両親への復讐。
葬式を行わないことなどを記したエンディングノートは生前葬(の録画)を際立たせるため、deleを依頼しておきながら取り消す走り書きはこのデータがクローズアップされ両親の目に触れるようにするためだった(のだろう)ということになってくる。
更に深読みすると、心不全という死因はどうだったのか?
友人の「やっぱり死んでた?」というセリフが突然死を告げられた場合の反応として整合しない点や、彼女へのLINEの「どうして死んじゃったの?」はその含みだったとして考える余地が出てくる。
本を閉じて考えるような「読了感」がある話だった。
最高でした。山田孝之昔事件あったしで苦手だったけど、すごくはまり役。すだくんもすだくんに見えない、役の人そのもの。
2人のコンビも、絶妙な俳優陣も、セットや撮影アングル、映像美まで、完璧で、贅沢なドラマでした。
ゴールデンや映画化を観たい!!
山田孝之×菅田将暉のコンビの空気感が好きです。
内容も「人間が消したいと思うこと」を題材にしているだけあって、人間の底深い感情を描いていて、見応えがあります。
それでいて、スタイリッシュな表現、演出に徹していて、なんと言いますか、静かに振動にしながら、響きます。
印象深かったのは、
高橋源一郎さんのまなざしが素晴らしく、枯れ花の美しさのようなものを感じる第3話。
橋本愛さん、柴咲コウさんの女性陣が熱かった第5話。
特に、すべてが解ったラストの橋本愛さんの「間(ま)」。
演出、鮮烈でした。
そして、人間の暗部が晒されるdeleの真骨頂だった第6話。
あの暗部が連なっていく様が強烈でした。
菅田さんの陽の熱さ、山田さんの陰の力強さがホントに良かったです。
全体的にハイレベルの制作で、続編、作ってほしいです!
全話通して、面白かったです。脚本家さんがそれぞれ違うということで、視聴前は不安もありましたが、時にスピ-ディだったり、映画のようにゆっくり深みのあるお話だったり。
それぞれに独特なカラ-があって、さまざまな世界観を楽しめたというか。
どのお話も一見身近にはなさそうでありながら、実は日常に潜む恐怖?に恐れおののいたり。
いま、現在ならあり得るんじゃないか。...おそらくあるに違いないと思わせるような、リアリティさえ感じました。
演者さんたちのキャラクタ-、その表現力も素晴らしく、安心して観られたのも良かったです。
山田くんのほの暗く聡明な雰囲気と、菅田くんの温かく軽快な雰囲気が上手くマッチして。そこに麻生さんのおちゃめなスパイスも加わって、暗く切ないなかにも笑いがあったのも良かった。
最後、戻ってきた祐太郎に続編への期待が高まったので、楽しみに待ちたいなと感じる、面白いドラマでした。
期待を裏切らず最終話まで見事に完走してくれた。今話は、傍観者ではなく当事者、巨悪との対峙、大きな痛みを伴う解決など、いつもより派手めな「動」の展開で最終回に相応しいものだった。
前半で真相が明かされるなど全8話中で最も判り易いストーリーに仕上っている。かと言って薄っぺらになることも無く、祐太郎と坂上姉弟それぞれの過去が語られたことでシリーズ全体の深みが増し、この三人のことがますます好きになってしまう。
これまで反目することの多かった圭司と舞だが、少ない言葉を通して信頼しあっているのが判る。姉弟が「ケイ」「マイ」と名前で呼び合うところに何となく関係の希薄さを感じていたが、今回はむしろ絆の強さが表れていた。これから迷惑を掛けると圭司が言いに来た時の、舞の嬉しそうな笑顔の姉貴っぷりにぐっときた。
祐太郎が居るべき場所に戻ってきたことで再生を掛けた三人で物語は続いていくのだろう。そんな彼らがちょっと羨ましいようなラストだった。
シーズン通して8編の多彩な物語を見せてくれた制作陣に感謝。ここまで充足感に満ちて締められると、むしろこれ以上の完成度での続編を望むことが強欲にさえ思えてくる。まずは小説で三人と再会したい。
祐太郎と圭司の過去が明らかにされる最終回、二人の関係はどうなる?とドキドキしながら、いつもよりじっくりと観てしまいました。
祐太郎の妹の死が、事故や犯罪ではなくて、医療ミスと権力による隠蔽という意外なもので驚きました。
その挙句の悲惨な過去があったにもかかわらず、あれだけ明るく、人に優しくふるまっていたのかと胸が熱くなりました。
依頼人が、祐太郎が見ると知っていて依頼していたというのも、初めてのケース。
残されたデータにより、圭司の父のダークな過去も明らかにされ、父に対する複雑な圭司の思いも伝わり、自分ならどうするだろう?と考えさせられました。
他人ならともかく、家族に見せたくない自分の顔が明らかにされるというのは、双方ともにとても辛い。
祐太郎と圭司がお互いを思いやり、それぞれ反対の解決方法を提示するシーンは、二人の本物の絆が感じられ感動しました。
「記録は消せるし、記憶も消せる」と豪語する巨悪。
事実とわかっているだけに、虚しくなりますが、ドラマの中だけでも最後に悪が暴かれて良かった。
圭司の決断は本当に勇敢だったと思います。
でも、やっぱりこれで解散するしかないのかなと悲しくなっていたら、最後の最後に・・良かった!
妹の死で家族解体してしまった祐太郎にも、ついに「帰る所」が出来たのですね。それが、一番嬉しかったです。
一話完結でそれぞれに趣向が違い、毎回楽しませてもらいましたが、個人的には(年齢や性別によるかも)3話と5話が特に好みでした。
今シーズンはこのドラマだけが楽しみだったので、こんな良質のドラマを作り上げてくださって、俳優さんたち、スタッフの方々、本当にありがとうございました。
いつか又、圭司と祐太郎と舞のトリオに会わせてくださいね。
真柴姉弟が祐太郎の復讐のために父坂上真一のデータを公開し身を投げ打つ第8話は、アクションシーンを含むスタイリッシュな映像編集で纏めながら、人間のメローな部分を描き出した心優しいお話でした。第1話で姉舞が祐太郎を何故採用したのか振り返ると、父親の犯した罪を自分のこととして受け止め苦しむ弟圭司を解放してあげることだったと解ります。常に毅然とした態度で正義を追求する優秀な弁護士舞の存在が、最終話最も輝きました。彼女はすでに断捨離をやり遂げ、前を向いて歩く術を心得た強い精神の持ち主です。
今回も短い時間の制約のある中で、描くべきエッセンスは充分表現されていたと思います。脚本・演出の省略の映像技術がしっかりしています。その一例が葬儀場で弁護士辰巳仁志の息子陽一が祐太郎に深々と頭を下げる場面です。この時の祐太郎の返す台詞(あなたの頭の中にいるお父さんが、本当のお父さんだと思います。)がひとり佇む圭司のカットに被ります。寛容さと優しさに溢れた祐太郎の思いが、視聴者を通して圭司に語りかけるいいシーンでした。
原案の本多孝好始め演出の常廣丈太、瀧本智行など多くの映像作家が取り組んだメディアミックスの、この挑戦ドラマ「dele」は、映像の持つ魅力や力そして可能性を私に再認識させてくれました。記憶に遺るテレビドラマの金字塔の称賛を捧げたいと思います。山田孝之、菅田将暉、麻生久美子の代表作になるのではないでしょうか。
私的な例え話でさらに褒め讃えれば、この連続ドラマはあたかもベートーヴェンの交響曲に当てはめることができます。第1,第3,第5,第7の奇数話が特に私の嗜好に嵌ります。才能の期待を予感する第1話、時代の英雄を夢見た革命家の第3話、運命の扉が開くワンカットの第5話、そしてサスペンスの権化の第7話と想像すると、集大成の第9話が観たい。映画、ドラマのどんな形でもいいですが、心待ちにしております。その名作群を何度も見直しながら。
本当に気持ちの悪い結末だった。
でもアレ以外のどんな結末を用意しても、噓臭かったり、ご都合主義になってしまったと思う。
救いは所詮真実なんてこんなものとせずに、菅田さんに「気持ち悪い」と言わせたこと。
ドラマとしての質はキープしたけど・・・うーん。
1時間真実を捜して答えが出ないまま終わるって見る側からしたらかなりのストレスだし、この終わり方以外なかったのだとしたら、別の題材を選んで欲しかったかな。
とはいえ、固定されていたラストから逆算した脚本と考えると、その出来は素晴らしいものだったっし、映像や世界観の美しさは1話から通して圧巻。
さすが凝ってるなあという印象。深夜だから出来るんだろうけど、深夜なのが勿体無いくらいに。
自殺理由不明の笹本隆が遺した映像に翻弄される第7話は、人間の二面性を主題としながら、真犯人と思われるその青年の顔を視聴者に提示しないサスペンス映画話法を貫徹した稀にみる力作でした。客観的な説明映像と笹本隆の視点の映像から真犯人をどう追い求めても、肝心の笹本隆の実像が分からないもどかしさに、視聴者は判断不能になります。しかし、その割り切れない気持ち悪さが、(他者の視線を意識した自分)を主題としたドラマの巧妙な戦術と言えます。
笹本隆は、私たちに見られたくなかった。
児童福祉施設での祐太郎と女性職員のシーンが、笹本隆の一面を表しています。ここで彼の自殺を告げなかった祐太郎の優しさが印象的でした。笹本隆を色眼鏡で見ない少女が一人いたことは、救いです。
そして、ラスト、エレベーターの中で家族の写真を出し妹を見つめる祐太郎のシーン。見られない不満に対するサービスショットと思える演出でした。
ドラマ「dele」は、原案、脚本、演出が高いレベルで調和して、どの回もテーマと表現が合致していて見入ってしまいます。日本のテレビドラマで、ここまで本気になって質的にも娯楽的にも優れた作品を提供してくれることに感謝せずには居られません。今日の日本社会の象徴的事件を巧妙に取り入れ、独自の視点で再考察しています。今回毒物混入事件を8年前に設定しているのも、未曽有の震災以後の社会不安に苛まれる日本人の姿と解釈してもいいかもしれません。町を歩く祐太郎の俯瞰ショット、圭司とふたりで見下ろす町並みのショットは私に色んな思いを巡らせます。
犯人が、最後の女の子だけを助けたのはなぜだろう。
そこにもしかしたら、犯人の中に残された「善」があるのかも。
もし犯人が死刑囚の息子だとしたら
一緒に施設ですごして、心の中を打ち明けていた女の子を
その女の子に被らせたのかな。
彼の善の部分を見てくれていた人は彼女たった一人しかいないわけで
そう考えると切ない純愛ものにも思えてくる。
第7話。舞と祐太郎のタッグが意外な化学反応をして、あっという間に真相に近づいていく...この辺りのさくさくしたテンポはすごく気持ちが良い。このふたりの組み合わせは正義っという感じで、闇に光を当てるような安心感がある。
一方、ハブられた圭司はひとりでちょっと寂しげ、本人は絶対に認めないだろうけど。それでもネットや検索エンジンを駆使し、まったくの別ルートから同じ関係者達にあっという間にたどり着く。デジタル凄い。けど怖っ。ただし見え始めたものは舞や祐太郎のものとは少し視点が異なっている。
ここから一気にカオス状態のはじまり...。掘れば掘るほど増えていく疑惑と可能性。犯人探しの為、まんまと3回も見直すことになってしまった。自分なりに幾つかの可能性は消せたものの、やはり絞り切ることはできない。果たして提示された可能性の中だけに正解は存在するのか。祐太郎の最後の台詞をオレも言いたい...すっげぇ気持ち悪い。とはいえ答えを出さないという策略こそが今回の主題の意図に沿っている。
そして異端者が"削除"され、平和を取り戻した町で再び開催されるバザー。ジュースを勧められた少女の不安げな目と、笑顔で勧めた女性の指先が少女の両肩に食い込むカの異様さが印象的。それは共同体の安寧の為に自分たちが見たい事実しか見ないこと、感じていても語ってはいけないことを言い聞かせるように。
「よそから来たひと」の少女への警告は、真犯人に残された一分の良心だったのか、それとも異端者として共同体幻想の外側から覗いていたからこそ見ること語ることが可能な真実だったのか。「よそ」という言い回しの不気味さと孤立感、そして一種の解放感が今話を一言で表現している。
個人的に想像すると
「外から来た」がヒントだから、たぶん死刑囚の息子かと。
みんなそれぞれに動機があり、誰が殺してもおかしくない立場があり
性格にも難があり。
でも、デリートされることで不安も消え、みんなが幸せに暮らせるってことだとしたら
これはこれでよかったんだという終わり方だと感じました。
殺してない町の人たちは善良ではない。
死刑囚も。
ただ一人、息子だけが善良なはずだったのに
結局は悪意に負けてしまった。
だからこそ自殺したんじゃないかな。そしてデータを消すことで
町の人がみんな救われることもわかっていたなら
息子は相当かしこい子だったはず。
私はすごく新しいと思いましたし
深くて、重い。
そして、とても悲しい物語だった。
これ映画になりそうな濃厚な1本だったと思う。
内容が濃すぎてスピード感ありすぎたので
ドラマだと説明不足でわかりにくいかもしれないなあと感じもしましたが。
6話。今回も巧みに予想の裏をかいていくストーリーテリング。いじめ批判やネット社会の怖さを描くことはあくまで語りの道具。主題は別に有るように解釈した。
大人になることは汚れてしまうこと。それを嫌悪し死の誘惑に駆られる思春期の心理は、文学に於いて古典的なモチーフのひとつだ。そこに至る道程を残された者が知り得る唯一の手段は抹消データの復元、そしてその行為の是非。正にこのドラマの設定を活かすことで先読みの難しいストーリー構築に成功している。
また他人を貶めようとする悪意やペテンは、実社会の其処此処に潜んでいる。弱者であるからこそ更なる弱者を作り出すことで矮小な優越感を得ようとする人間の業のやりきれなさを、今話は丁寧に描いている。解りやすい台詞にしてしまったことで、作者の意図が説教臭く感じられてしまったのが悔やまれるが、興味深い投げ掛けであったと思う。
人間が普遍的に抱えている心理の闇を、愛すべき二人の主人公たちに地獄巡りのように垣間見させることで、今話は重厚なテイストに仕上がった。
ただし遥か過去に大人になり汚れ切ってしまっているであろう自分には、前者は若気の至りの一言で片付けたいような思春期の通過儀礼的煩悶、後者は気を抜くと誰もが簡単に堕ちる深い穴であり、どちらも正視するには若干居心地の悪さを伴う。個人的にその辺りの心情から、星ひとつ下げることになったかもしれない。
今期のドラマの中では、個人的には群を抜いて面白いとは思わないのは、単なる好みの問題で。
好みという私感を取り除いてしまうと、これほど珠玉のドラマはないと思う。4回までは漫然と見ていたので、さまざまな演出の意図や伏線回収など、気付かなかった点はあるかもしれない。ただそういうことを差し引いても、今回は神回だったと思う。
まずは、冒頭の会話と事故の原因の伏線の回収が後半になされていること。クライマックスでようやくされる種明かし。
だが、そこに収束するまでの展開が秀逸だった。
今回の主役は、一種ストーリーテラーのような役割を果たした橋本愛演じる百合子。彼女にストーリーを牽引し展開させることで、これまでストーリーテラー的位置づけのために語られなかった真柴の過去を浮き上がらせて行く。真柴の記憶を喚起させる髪を結うシーンはその最たるもので印象的だ。
そして、ふたつのラブストーリーの美しいシンクロ。女性二人を主軸に思春期の美しい過去をモノローグのように描き、対照的な現在へと引き戻す。ひとつは、決定的な失恋、もうひとつは始まりを予感させる恋。ところが、前者を、男性を主軸に見ていくとこれはまた別のストーリーになる。おそらく彼は、秘密を公表し困難に立ち向かい愛を貫くだろう。
現在、過去、現在(未来に繋がる現在)の時間軸の中でも見事な対比がある。過去が百合子のラブストーリーと考えると、現在は聡史のラブストーリーなのだ。
そして全く共通項のないふたつのストーリーは真柴の「愛だね」という言葉で初めてシンクロし集約され収束する。障害を乗り越えていくふたつのラブストーリーに。
本当に見事というしかない。
今回の第5話は、飛びぬけて豪華なゲスト!
柴咲コウ、橋本愛という名女優が二人も揃い、、それぞれの嘘が絡み合い、最後に切ない真実が明らかにされるまで、あっという間の1時間でした。
久しぶりに観た橋本愛さん、相変わらず魅せられる女優さんです。
柴咲コウと山田孝之の大人の会話も、男女の微妙な距離感が現われていて心に沁みました。
主演四人の名演もありますが、やはりスリリングな物語を紡ぎだす本多孝好さんの脚本が素晴らしい。
途中で何となく真実が見えてきて、どう終わるんだろうと思っていたのですが、言葉じゃなくてシーンで見せてくれたのに唸りました。これぞ、ドラマ!
依頼人の死で始まるという今までのパターンも外してきて、圭司と祐太郎の過去も少しずつ明らかになって来て、ますます目が離せないドラマです。
今期、最も面白く良質なドラマだと感じる。
亡くなった方の秘密が閉じ込められた情報の塊がこの主人公に託されているため、通常の刑事ドラマ等では描かれなかったような、人の心の奥底、依頼者のもう一つの真実のようなものが見えてくる。実際にアナログな方法で情報を集める側の見え方もあり、「真実」は複雑な様相を呈して来るが、それを無理に一つに絞ろうとせず、複雑なままにしているのがいい。
初めて投稿します。
このドラマ関西は特に深夜なので気がつかなかったのですが、こちらの評価が高く、山田孝之と菅田将暉というコンビも魅力的で、第1話をTverで観てすっかり嵌りました。
麻生久美子さんとのトリオが絶妙ですね。
事務所のちょっとレトロな雰囲気と、最先端のPC駆使の探偵というのが、とても面白いです。
第1話は依頼者がジャーナリストで事件絡みで、サスペンスがあり、最後はほろっとさせて、今後もこういう感じかなと思っていたら、第2話はガラっと変わって「親子関係」がメイン。
依頼人があまりに若いということと、ちょっと極端な親子関係が少し疑問でしたが、色んなバリエーションで見せてくれるんだなということはわかりました。
そして今回の第3話、これまでで最高のドラマでした。
高橋源一郎さんの登場にはビックリしましたが、おまけに余貴美子さんという豪華さ!
ロケ地の港町のうら寂れた、まるで時間が止まったような雰囲気。
短編の映画を観ているかのような映像美が素晴らしかった!
最初に高橋さんが交番の前でチラっと観たときに、「あ、もしかしてこういう話かな?」と先読みしてしまったにも関わらず、最後まで惹きこまれて観てしまいました。
しんみりとした大人のいい話でしたね。かつての過激派と同世代としては、一際感慨深いものがありました。
「幽霊みたいなもの」・・確かに、今のような時代が来るとは思いもしなかったかも。隔世の感を覚えます。
余貴美子さんに髭をあたってもらって管田君がどきどきしてた所など、映画「髪結いの亭主」の色っぽさを思い出しました。
ベテランの脚本家や監督をスタッフに揃えているというこのドラマは、無料で観られるテレビでも、まだこんなにハイレベルの作品が作れるんだと教えてくれて、本当に嬉しいです。
今のところ、この夏、真剣に観ている唯一のドラマなので、高校野球ばかりのテレビ朝日だけれど、製作してくれてありがとうと感謝!
麹町西公園(実際は芝浦)で、後藤が逮捕された直後に祐太朗から薔薇を渡された江角幸子はこう言っています。
「とっくに気づいていました、浦田さんのことは。
何やってたんでしょうねぇ、何十年もアタシ。
浦田さんはアタシが止めた時間に、ずっと寄り添ってくれていたんです。
でも最後に、その時間を動かそうとして、あんなことに。
あの人の時間をアタシが止めてしまったんですねぇ。」
遡って、浦田は幸子に髭を剃って貰いながら「もう終わりにしました」と告げ、それに応える幸子のセリフがホテルでタバコを吸いながら「アタシももう終わりにします」と独白されています。
つまり、浦田が自らの命をもって幸子に決着を促し、彼女はそれを理解し、受け止めたということが説明されています。
43年前の恋愛に生涯をほぼ丸ごと捧げる女の人生は劇的だけれども、心を寄せる男からは彼女に残された時間が少なくても開放してやりたい、(犯人隠避罪などに問われ投獄されたとしても)自分の時間を生きさせてやりたい、と考えたということなのでしょう。
逮捕される後藤を遠景にし、ドラマチックにしていないのも良い演出でした。
(公安が二人を一度に捕まえなかったのは不合理ですが、まあドラマということでしょう。)
公訴時効停止事案であっても公安でさえ監視を打ち切ることになるほどの長い時間だったという筋に無理が感じられず、「テロ対策にAIが導入されている時代だというのに」旧態依然の諜報活動が引き継がれていた公安捜査について、実態と異なるとしても安くさくなく、気持ち良いものでした。
刑事等と被疑者の妻や恋人との許されぬ恋のような話は珍しくありませんが、このエピソードは一線を画しており、おそらく既に心は通い合っていたという含みで、駆け落ちするわけでも心中するわけでもない、引きの効いた、大人というより老輩のプラトニックラブを淡々と描いた優れた脚本だったと思います。
70年代の過激派学生を材料にしたこと、絶妙の素人である高橋源一郎(これが名優だったらかなり違うものになっていました)を余貴美子がしっかり支える配役、浦賀あたりの港町という設定の足利の写真館と石岡の理容店(実際はかなり離れている)ロケもやり過ぎになっておらず、全てが奏功していました。
菅田将暉という人の存在感も良いですね。
そもそもその意図があるのでしょうか?山田孝之と麻生久美子を喰ってさえいるように思えます。
彼がいなければ、このドラマはもう観ていなかったかもしれません。
ブラボー!
震えるほど素晴らしかった。
公安秘密捜査員"エス"のウラタ役は、日本のポストモダン文学を代表する小説家である高橋源一郎が扮している。
監視対象者役は、余貴美子である。
理想以上の配役だ。
冒頭の人形町のシーンから茨城のロケ地まで素晴らしい映像で、もうこれは名作映画になっている。
高橋源一郎は学生時代に凶器準備集合罪で逮捕されている方だが、本作今話では公安役という裏返した役柄になっており、表向きは写真館経営者として43年間逃亡する元過激派の恋人を監視する。
いつも通りのどんでん返しは今回は静かなもので、視聴者の期待を裏切らない結末となっている。
五本の薔薇の意味は「あなたに出会えて良かった」。
この回は繰り返し何度も観たい。
TVerで全話一気に見ました。面白かったー!
こんなドラマやっていたんですね。
やっていた事すら記憶にない。なんでだろう??
当時あまり話題にならなかったのでしょうか?
すごく面白いのに。
プロのお仕事・・・という感じがしました。少し画質がザラッとしていて、スピード感のある現代のドラマなのに、昔、撮影された記録映画みたいな雰囲気。
毎回、一つの着地点はあるけれど、どこか未解決な部分があって、物悲しさが漂うストーリー。カラ元気を出すようにして、なんとか希望を見出そうとする祐太郎と、うっかり甘い顔は見せまいとする圭の組み合わせも、辛い現実になんとか折り合いをつけて生きている青年のリアルな感じ。
年配の役者さんも渋くてよかったし、若い役者さんも持ち味をうまく生かしていて、ちょっと昔の映画を見たような不思議な印象が残りました。
初めは若い二人と強面のハラハラ系のドラマかな?と思いましたが上手い具合に人情噺っぽいホロっとさせられ続けました。
毎回、余韻で涙がじんわり…最近、こんな深いドラマあったっけ?
二人と…いや舞も入れて三人にこれでお別れなんて思いたくない。
またいつか会いたいです。
スタッフさん演者さん本当にありがとうございました。
最終回のエンドのDVD告知
これまでの毎回の三人のシーンを流してて
思ったけど
祐太郎はどっちかというと、貧乏な設定だと思うんだが
毎回けっこう服装変ってて
こんなに衣類にかけるほどお金あるのかなって((笑))
1回見ただけじゃよく分からなかったので再び見ました
主に7話の感想です
正直面白いと思えなかったです
最後も結局死後のデータ管理の必要性を問うには庶民的な部分でじゃなくSNS上で活躍、話題になるような人物の遺留物としてのデータという感じでずっと違和感があった
7話は毒物混入~よりオウムの一連の事件でこの夏死刑に至った判断に対するアンチテーゼで、平成という時代の終わりだから悪いものは平成で終わらせようとする感じが
気持ち悪いってことばに集約していたんだと解釈しました
さまざまなひとを置いてきぼりにしてる東京五輪とも同じ感じかもしれません
その町だけで納得していて、未来だけを見てひとを見ない
でも依頼者の隆は見てる現実にくるしんでいた
推測の域を出ませんが
隆は毒物を予め盗んでおき父親(塚本さん)が荒れたある夜に
前やったみたいに嫌がらせ目的でやっちゃえばとか直接的な言い方は避けて自分の薬(すり替えた毒)を差し出したんじゃないでしょうか
だから犯人を知っていて、殺意の対象にない少女は偶然居合わせたからか助けられた
自殺を選んだのは罪を被った父の死刑をにわかに感じていて、なぜ削除依頼の契約をしたのかは環境により厭世するなか自分の罪と向き合いながら市議を犯人にしようとしてい、たというより自分の犯した罪そのものだから誰かに託していたかったというのが本心じゃないでしょうか
でも父がなぜあいつらに殺されたみたいな発言をしたのかは息子に恐怖してたか、くるしんでた姿を見ていたから、かな
あの町の5人には各々動機はあるにせよ、ミステリーとするならばあまり面白くはないので、父犯人説がテーマを設けるとしたら合致する気がします
もしかしたら隆は自分は悪くないでしょって言ってもらいたくて同じ施設出身の彼女に、住民に被害を受けてきた動画を送りつけたのかもしれません
たとえばですが、物語として
依頼者の死後、本当に消してしまっていいデータなのか
その失敗談を絡めた話の方が見たかったです(圭が自発的に死だけじゃない裏側を探る理由や関心が見えなくて実にエンターテイメント的な理由で大事な心の変化を相殺、ハッカー犯罪者が積極的に捜査しちゃってるので、なんだかここらへんはライトノベルっぽく感じました
大塚明夫さんの出演や青島さん脚本など贅沢なものを見させてもらった気はするんだけど、他のドラマでも相棒でも遺留捜査でもいい話が多かったように感じます
事件的な観点で捉えてるから仕方ないのかもしれないのですが
今思えば主役のふたりは死を大事に扱う人ってだけで導入は良かったかも(余計な情報はなく
個々のデータを残す人の思いを大切にしたかったのか
扱う側に思いがあることを大事にしたかったのか
本意ですが最後まで上手く掴みとれませんでした
長々とすみません、失礼しました
このドラマが難しくて分からんって言ってる人に驚く。
そこまでみんな読解力がなくなってしまったのか。
最近は映画やマンガでさえ、難しくて分からんって言う人もいて
わからないから低評価をつける人もいる。(映画メッセージとか)
それを映画監督はどんな気持ちで見ているんだろう。
やるせないんだろうな。
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