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合計 | 1件 |
読み | ふぞろいのりんごたち | |
放送局 | TBS | |
クール | 1983年4月期 | |
期間 | 1983-05-27 ~ 1983-07-29 | |
時間帯 | 金曜日 22:00 |
山田太一さんのドラマはふぞろいの林檎のような完璧ではない人たちを描くから面白いってことなんだろう。
山田太一さんの書く台詞は割と独特で、会話の中でよく自問自答しながら話してるような台詞が出てきて、それが彼の脚本の特徴だとも思う。
「ふぞろいの林檎たち」も全編通してそんな感じで、中井貴一が演じた主人公とか柳沢慎吾の台詞に、それがとても多かった記憶がある。
2人が演じた役に共通するのは、気の小ささ。
気が小さくて、自信がなくて、始終迷ったり悩んだりしている役で、本当はハッキリ言い切りたいんだろうけど、“逃げ“のように言い訳混じりに相手に自分の気持ちを伝えるような台詞をよく口にする役に、演じたお二人は凄くハマっていて、ドラマを見ながら、当時の自分はずっと2人にイライラしていたのを思い出す。喝を入れたくなるほどだった。
イライラしながらも、このドラマを毎週見ていた理由のひとつは、石原真理子の魅力にあったと思う。
このドラマが終わってから、色々と女性週刊誌に騒がれるような出来事があって、終いには○ッツン女優と言われてしまうようにもなるのだけど、このドラマの石原真理子、このドラマに出演していた当時の石原真理子は、本当に魅力があった。
ワンレンの長い髪がトレードマークだった彼女は、当時の女性達の憧れ的な存在でもあり、女性誌の表紙にもよく登場した。
このドラマでも、華奢で儚げで、気が強くて、我儘で、奔放で、でも一生懸命で、一途に“自分自身“を貫こうとする…そんな、石原真理子自身と被るような役を演じていて、中井貴一が演じた主人公はいつも彼女に振り回される。
石原真理子の役は、振り回す方の役なんだけど、でも魅力的。
このドラマがヒットした理由は色々あるんだろうけど、私は、始終グズグズ悩んで言い訳のような台詞を言い続ける中井貴一が演じた主人公と、石原真理子の演じた役が、それこそピッタリハマっていたことも、理由の1つなんじゃないかと思っている。
時任三郎、手塚理美、柳沢慎吾、中島唱子、其々が演じた役も、本当によくハマっていた。
柳沢慎吾なんかは、実際の彼もこうなんじゃないか?と思うくらいで、このドラマで演じた役の印象で、彼はかなり、“とても良い人“というイメージがついたんじゃないかとも思う。(いや、良い人なんだろうけども)
中島唱子も良い味を出していて、このドラマの主要登場人物の中では、多分一番、好感度の高い役。
中島唱子と柳沢慎吾の組み合わせ、本当に良かった。
ドラマの中で、一番見ていて楽しい2人だった。
細かいストーリーはあらかた忘れてしまっているけど、前述したように、イライラしながらも毎週楽しみに見ていたことだけは確か。
「いとしのエリー」を聞くと、条件反射のように、このドラマを思い出す。
山田太一さん、ありがとうございました。
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