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キャスト陣の豪華さに嫌な予感がして敬遠していた本作。ゲストに興味をひかれて4話を初めて見たが見事に予感的中、キャストの無駄遣いで面白くなかった。
■脚本がダメ
刑事物にしては薄すぎて言葉の力を感じない。思わず脚本家の他の仕事を調べたが、『メイドインジャパン』はここまで悪くなかったので、刑事物が向いていないのだろうか。
最もひどいのはオトシ特化部署がメインなのにオトシのテクニックがショボい点だ。一般人である自分でさえこんな取調べではオチないと呆れてしまった。
例えば小日向さんの見せ場で同僚刑事が「こんな○○さん初めて見た」というような事を言って小日向さんも頑張って凄い芝居をしているが、何分しゃべりの内容が全然凄くない。容疑者側も同様だ。強かな政治家がじわじわとプレッシャーを掛けられてついには…という話のはずが、新聞のくだりといいどこにもビビる要素がない。
毎回毎回無能なセリフを有能そうに吐かなければならないレギュラー陣の苦痛と、オチにくい容疑者という設定なのにしょーもない理由で顔色を変えながら大変な揺さぶりをかけられている芝居までしなくてはならないゲストの苦労を思うと、見ているこちらもいたたまれない気分になる。
二代目ボンボンだからすぐビビッたんだと言うのならば、別にキントリでなくてもオトせたはずだ。現に刑事に同行を求められた場面では全く動じる様子を見せず「流石だな」というようなセリフを刑事が口にしている。凄い・流石・したたかだと登場人物に言わせる割に裏付けとなる行動が描かれないから説得力が生まれない。全てセリフだけで片付けようとするひどい脚本だ。
ドラマの骨になる脚本が薄いせいで、話は「なんか凄そーな刑事の雰囲気」「なんかオトしにくそーな犯人の雰囲気」「なんかかんどーてきな真実の雰囲気」だけで進行していく。
■脚本より酷いキャスティング
どう考えても一番ダメなのはキャスティングである。画面的にも芝居的にも濃い曲者が多過ぎてまとまりがなく、非常に疲れる。カッコ良さげな設定を用意してあらゆるポジションに濃い役者を起用しまくれば勝手に面白い物が出来上がるとでも思っているのだろう。子どもが高額のお年玉に浮かれて手に余る高級品を予算いっぱい衝動買いしたようなキャスティングである。
キャストと脚本どちらが先かわからないが、こんな箸休めのない面子をうまく料理できる脚本家はほとんどいないだろう。地雷を察した腕のある脚本家には逃げられ、最終的に人のいい薄い脚本家が捕まったのではないだろうかとさえ疑ってしまう。
結局、巧いけどこういう役者をこのポジションで使うのは一作品につき一人でいいんだよなという所に十人ぐらい詰め込んでしまう始末。フジ『BOSS』の劣化版にすらなりきれていない。
繰り返すが、役者は主役からゲストに至るまでとてもいい。話の内容を無視して個々の芝居にのみ集中すればこの苦行には何とか耐えられる。しかし主役以外は曲者しかいないため、皆がいい芝居をすればするほどお腹いっぱいになってしまうのだが。
ドラマなのに内容を気にしてはいけないという、実に苦痛な一時間であった。
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