2.91
5 144件
4 25件
3 25件
2 18件
1 164件
合計 376
読み とらにつばさ
放送局 NHK総合 NHKBS BSP4K
クール 2024年4月期
期間 2024-04-01 ~
時間帯 月曜日 08:00
出演
日本初の女性弁護士で後に裁判官となった一人の女性。 彼女とその仲間たちは困難な時代に道なき道を切り開き、 迷える子どもや追いつめられた女性たちを救っていく―― 情熱あふれる法曹たちの物語を 極上のリーガルエンターテインメントとして贈ります。 ...全て表示
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いいね!投票数 43 票

ヒロインを演じている伊藤沙莉ちゃんは、その演技が上手いにしても、周りを取り巻く役者さんたちが今一つパッとしないので、何か、一人浮いているような感じがしますよね。それに、あの “ はて!? ” という台詞は、もう無理やり感が半端ではないので、もう止めて欲しいと思います。とにかく、このドラマは、限りなく地味で暗くて、まったくエンターテイメント性がないので、朝ドラとしては、余り魅力的なモノに見えないんですね!!

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いいね!投票数 42 票

まるで法曹の世界を目指している女の子たちの茶番劇を見せられているような気がしますよね。とにかく、お話の展開があっちにいったり、こっちにきたりしていて、その方向性が定まらないドラマだと思います。それに、ヒロインの寅子ちゃんの性格や言動には、あまり魅力的なモノを感じないんですね。ですから、いつもイライラ感が募るばかりの朝ドラに見えるんですけど・・・!!

※このドラマのモデルである三淵嘉子さんの父親の武藤貞雄さんは、まったく何の事件にも絡んでおらず、当然のように逮捕歴もないので、かなりモデルの方に失礼な描き方になっているんですね!!

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名前無し

「虎に翼」は内容がつまらない。
しかも下品で最低で気分が悪くなります。
見る価値の無い稚拙で最悪な朝ドラです。

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名前無し

久しぶりに朝からイライラする朝ドラにめぐりあいました。
ちむどんどん以来かも。
半年間この朝ドラを視聴するのは苦行です。

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ヒロインの寅子ちゃんの母親であるはるさんは、あんな簡単に心変わりするでしょうか!? ハッキリいって、ちょっと安直な描き方すぎますよね。それに、このドラマは、尾野真千子さんのナレーションでの寅子ちゃんの心情や、劇中の内容と状況の説明が多くて、その寅子ちゃんを演じている伊藤沙莉ちゃんを始めとした他の役者さんたちの演技で、それを表現することが、ほとんどない朝ドラだと思います。ですから、テレビドラマにしなくても、映像がないラジオドラマで、もう充分だという感じがするんですね。そして、伊藤沙莉ちゃんは、その演技力の高さと反比例して、余りにも地味すぎるというか、朝ドラのヒロインらしい輝くような明るさが、まったくもって見受けられないです。それでは、この先のお話の展開が、ちょっと思いやられるんですね!!

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いいね!投票数 41 票
名前無し

◆演出・カメラワーク◎
自分の過去(母親のこと・結婚のこと)を話し、我が娘の「幸せ」のためにと必死で寅子を説得する母。喋る母(石田ゆり子)は横顔のみで、黙って聞いている寅子(伊藤沙莉)を映し続けるカメラワークが良かった。(後のシーンでの行き交う人々や、ラストの橋のカメラワークも良かった)

◆脚本・台詞◎
母の言葉を聞き、目を潤ませた寅子の第一声。「ありがとう。私を心から愛してくれて」・・これだ!最後までありがとうが言えなかった鈴子は論外として苦笑、母親に反対された時に「お母さんだって中退したくせに」と言って傷つけた舞など、どういう台詞を言わせるかでヒロインやドラマへの評価が変わる。脚本家にかかっている。
真っ先に「ありがとう」と言わせ、「母の愛」を肯定的に描いた脚本に拍手!笑。たったそれだけのことと侮るなかれ。なんせそれだけのことができない脚本家が少なくないのだから。

で、感謝の言葉の後に自分の気持ちを伝えた寅子だったが、言葉の行き違いで母を怒らせてしまう。「幸せと地獄」・・この脚本家、言葉のチョイスがなかなか上手い。「女性は無能力者」について法的な解釈を聞いた寅子に言わせた「スッキリはしませんが、ハッキリしました」も上手かった。短く簡単な言葉で、状況がよくわかる。言葉選びのセンスは重要だ。

◆テンポよく痛快な展開
新しい振袖を作るために、母と待合せした甘味処に向かう、沈んだ表情の寅子。そこには桂木の姿が!ミラクル偶然の「朝ドラあるある」だが、きちんと伏線は描いてあった。小林繁演じる教授がお礼に団子を渡したシーンから、どちらかがあるいは2人共が甘いもの好きで、贔屓にしている店があるのだと。
桂木とバトルする寅子。そこに現れた母が桂木に啖呵を切り、寅子に加勢する。店を出た母は呉服屋を通り過ぎ、書店で「六法全書、ください!」・・痛快だ!笑。また「幸せ」のためにはお見合いした方がいいと言いつつ、それでも「地獄」を見る覚悟はあるのかと寅子に尋ねる。あると答えた寅子を見て微笑む「スンッとする自分の人生を後悔していない」母と、そんな母を見て笑顔が戻った「スンッとしない代わりに地獄の切符を手に入れた」寅子。

◆上出来の第1週だった。ヒロインと周りの人間のキャラと関係性を描き、時代背景とそれぞれの女(母や親友)の幸せを描き、母の愛を描き、ヒロインの人生の選択を描いた。母娘の心情(苦悩や葛藤)を脚本がきちんと書き、演者2人がそつなく演じた。

松山ケンイチの存在も大きい。大学での厳しい顔。大好物のだんごを前に、少し嬉しそうな顔。寅子とのバトルでだんごを持ったまま、真面目に熱弁する顔。母の乱入でだんごを持ったまま、一方的に責められ困惑する顔。表情といいしぐさといい、やはり上手い!過剰演技をさせない演出も良い。松ケンだけでなく、仲野太賀も台詞のないシーンでも抜かりない演技で魅せてくれた。
揺れ動く感情を豊かに表現する伊藤沙莉。「ありがとう」をきちんと言わせてくれる脚本家でよかったね。一安心した。趣里は気の毒だったから・・。期待できそうな制作陣と演者たち。来週も楽しみだ。

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いいね!投票数 39 票
名前無し

寅子の家庭環境の描写が適当で共感できない。
父親も母親も存在感ないし下宿人のキャラも活かしきれていない。
兄夫婦はいるだけ邪魔になってる。

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名前無し

・法廷シーン
被告に着物の引き渡しを命じる判決。夫の「権利の濫用」であるとして。穂高教授曰く「人間の権利は法で定められているが、それを濫用悪用することがあってはならない。【新しい視点】に立った見事な判決だった」・・なるほど。「自由なる心証」もそうだが、専門用語をわかりやすく描いていて良い。これを難しいとか暗いとか感じた視聴者は、気の毒だがこのドラマとは合わないかもしれない。面白い!見応えあると感じた視聴者は、半年間楽しめるかも。

で、穂高の「こういった小さな積み重ねが、ゆくゆくは世の中を変えていく」に対して、よねが「甘すぎます」と反論。「本来法律は力を持たない私たちが、ああいうクズをぶん殴ることができる唯一の武器であるはずなのに」と。

・階段シーン
原告妻を恫喝し、殴りかかろうとしていた被告夫を、寅子が止め、退散させる。寅子たちの傍聴が心強かったと礼を言い「最後まで戦う」と妻。
ここでもよねが「殴らせれば逮捕できたのに」と反発。寅子「法は弱い人を守るもの、盾とか傘とか温かい毛布とか、そういうものだと私は思う」。そして「地獄の道を行く同志よ。考えが違おうが、共に学び、共に戦うの」

・・上手い脚本だ。よねが法廷シーンで「法律は武器」発言をした時には寅子に発言させずに、階段シーンで発言させた。その効果は絶大だ。①殴りかかるクズ夫と、弱者妻の「戦う」発言を描いたことにより、【法律とは規則なのか、武器なのか盾なのか】を、より明確に表現するすることができた②「地獄の道を行く同志」発言を、穂高のいない、同志だけの場で言わせることができた。地獄の道を行く女学生たちの笑顔笑顔笑顔・・③その様子を、物陰から桂場が見ていたシーンを描くことができた・・これらがアリとナシでは、ドラマの奥行きが全然違う。

・猪爪家シーン
花江の味付けに「悪くない。でももうちょっとお砂糖入れても」と甘くない、はな。「はい」と素直に従う笑顔の花江が振り返り、笑みが消える瞬間。スンッの結婚を選んだ姑と嫁だ苦笑。そこに「もし結婚に絶望しても、私が助けてあげる!」と帰宅した寅子。呆気にとられる姑と嫁。「私、盾みたいな弁護士になるの!」というご機嫌な様子に、嬉しそうな優三・・わずか2分弱のシーンだが、脚本演出演者、抜かりナシ。お見事!

・ラストシーン
ナレ「寅子はまだわかっていませんでした。自分がいかに恵まれた場所で生まれ育ったのか」。歓楽街のカフェーで黙々と働く、よね。日焼けして自分の価値を下げるなという母に反論できない、立派な屋敷に住む涼子。自室で六法全書を手に取り、満面の笑みの寅子・・あ~、そうきたか。ここで、あの階段シーンの【地獄の道を行く女学生たちの笑顔】が効いてくるのだ。木曜にチラ見せした、それぞれの背景と、思いを秘めた表情も。階段シーンで涼子に「合わないお相手と無理にご一緒しなくても」と言わせたのも。全て繋がっている。

・・先週同様に今週も、キャラ設定の確かさと、ストーリー展開や見せ方の上手さが際立った。前作のようにヒロイン上げになってはゲンナリするところだったが、ラストのナレでそうではないことを暗示した。「まだわかっていない」寅子の地獄の道は始まったばかり。今週も面白かった。来週も楽しみだ。

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いいね!投票数 38 票
名前無し

このドラマは…
なんだろう、すごくつまらない…
一週間見るのすらめんどくさいレベル

視聴者が置いてけぼりで演者と作家連中が
盛り上がってる感じ?そんな壁を感じた

期待してたのに残念

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名前無し

今でも司法の世界は男性社会だ。ましてや戦前なんてもっと男性社会だったろう。
そりゃー、寅子がこれから進む司法の道は大変でしょう。それこそ苦難のイバラの道で大変度MAXの地獄の世界である事間違いなし!
ましてや寅子は日本初の女性弁護士で裁判官になる女性だそのファーストペンギンになるんだから。

母親はよくそれは解っているから寅子に地獄だよと言ったのだ。
なにしろ日本は今だに
『男尊女卑依存社会』
『勝ち組正義社会』
なのだ。
日本は世界で一番、政治や行政、司法のトップで活躍する女性が少ない国になんだから。
なお、男尊女卑の女卑の中には女性以外にもLGBTQ、障害者、人種、低所得、階級も含まれる広義な意味となる。

これから寅子は男尊女卑依存社会の理不尽さと闘いまくるだろう。それは身を切る激しい闘いとなる。
寅子は体制やシステムと闘う
『女戦士の勇者』、ヒーローなのだ。
我々はこれから女勇者寅子の偉大なる闘いの物語を見ていく事になる。
そして、寅子は一つずつ難関をクリアーしていく。しかも結婚して子持ちになり家庭も築いていくのだからスゴイ。
実はこの朝ドラはそういう朝ドラなのである。

地獄の女戦士の闘い。あーっ、考えるだけで燃える物語が展開しそうで、ワクワクしてくるじゃありませんか!
まさに漫画の世界そのもの!
そして、入学式は闘いへの始まりの地獄の入口の第一歩であったのだった!
さぁー、寅子、これから応援しまくるぞ!

ちなみに前作「ブギウギ」のヒロインのモデルの笠置シヅ子も実はファーストペンギン で日本の体制やシステムの理不尽さと闘いぬいた偉大なる勇者で女戦士だった。活躍した世界は違うが寅子と同じなのだ。
しかし、「ブギウギ」では、制作と脚本家に完全にそこは無視されて描かれず、たんなる大阪のアホなうるさいおばちゃん流行歌手にされてしまった。
笠置シヅ子のその素晴らしい女戦士の勇者ぶりは視聴者にはまったく伝わらなかったのがとても残念だった。
その闘いもあったから、笠置シヅ子には文化人の応援団がたくさんついたんだけどね。

『寅に翼』では「ブギウギ」のようにはならないで欲しいとしみじみ思ってます。
脚本家さんや制作さんよろしくお願いしますね!

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名前無し

「盾の弁護士になる!」
「地獄の同志!」
なんと燃えるしびれるセリフなんだろう!
また、こういうセリフを言う時の伊藤紗莉ちゃんのなんとも様になる事か。
私は寅子役は彼女で大正解だったと思った。

この週末は家や職場、常連の飲み屋でも、この「寅に翼」の話でかなり会話がはずんだ。批判箇所はかなりあるけど、ほとんどが好意的だった。
中でも案外多かった意見が、この朝ドラがエンタメの王道にそって作られている。だから面白いという意見だ。

平凡な主人公が自分の道を見つけて、闘う目的と大義名分と闘う為の武器やアイテムを手にいれ、やがて同志の仲間達と知りあい、その仲間達と一緒に手強く巨大な敵達と戦いまくり、ひとつの目的を達成する!
これがエンタメの王道なのだが、まさに「寅に翼」の話の構造はこれそのものだろう。
平凡な女学生だった寅子が法律と出会いその道を志し、法律学校に入学して、闘う目的と大義名分と武器を手にいれ、闘う敵の存在を認識してそして仲間達と出会い、仲間達と一緒に闘かっていくわけである。この二週間の序盤でそれが明確に描かれていた。
この脚本家さんはなかなか上手いなと思った。あのセリフこそ、まさにその上手さが発揮されてると思う。
エンタメ王道の場合一番重要なのが主人公の闘う目的と大義名分と武器と巨大な敵の存在。すぐれたエンタメ作品はこれが実に解りやすく明確に定義されている。
またそれがブレているとエンタメ作品としては成功しないのである。世の中の優れたエンタメ作品はみんなそれがあてまるというしだい。中でもその典型なのがジャンプ漫画のヒット作だろうと思う。

さて、「寅に翼」の寅子の場合は、
闘う大義名分→女性や弱者を法律で助ける。
闘う目的→女性や弱者を守る盾の弁護士になる。
闘う武器→法の解釈と六法全書。
闘う敵→女性や弱者をいじめる存在、そして彼女達の前に立ちはだかる、日本の社会制度システムとその理不尽さである。
これがちゃんと序盤で明確に描かれ、しっかりエンタメの王道にそっている。しかも仲間達の存在も描かれたから感心してしまった。

やはり、みんなと話すと、ジャンプ漫画ぽいやら特撮戦隊ぽいやらラノベの異世界モノのパーティーぽいなんて意見があって面白かった。
女房などは「寅子は戦隊のレッドだよね」と喜んでいた。
みんなの意見を聞いていると共通しているのは、これは
『寅子とその仲間達の話』
としてとらえている点。そしてだからこそヒロインはやや珍獣キャラの伊藤紗莉ちゃんでちょうどいいじゃないのという意見。
私もそれにはげしく同感である。なにしろ仲間達のキャラがたちすぎていて、しかも演技巧者女優ばかりだから、伊藤ちゃんはまさにうってつけなのである。
ちなみに仲間には桜井さんの付き人の玉ちゃんも入っている。玉ちゃんはこれからかなり重要な存在になると思う。

さて、これから寅子と仲間達の闘いが始まる。
どんな闘いを見せるのか?
もう、毎回楽しみでたまらないです!

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名前無し

◆キャラ設定と描き方の上手さ
・花岡
女子に理解のある爽やかイケメンとして登場させ、後に裏の顔があることを描いた。が、そこで引っ張らずに【虚勢を張っていただけ】とし、ナレに「みんなイイ人」と言わせたのは大正解。明律内での足の引っ張り合いはなくていい。戦うべき相手は他にいる。

・轟
これまた「イイ人」であり、花岡を覚醒させた。「撤回しろ!」「あの人たちを好きになってしまった。漢だよ」、花岡をビンタ・・いい!笑。脚本演出演者がピタリとハマって、魅力的なキャラになっている。「#俺たちの轟」としてSNSが盛り上がっているのも納得。

・梅子
家庭での苦悩や葛藤を経て「戦う女」として強くなったのだとわかる描き方。女子たちや花岡への優しい言葉や眼差しは「母」のそれであり、長男の存在を視聴者に意識させる効果絶大。

・玉、よね、涼子
男子たちの心ない言葉を、梅子が気にしない様子を見て、玉「素敵なレディー」、よね「許すことを美徳と勘違いするなよ、玉」、涼子「梅子さんの好きなようになさればいい」・・いい!笑。この三者三様の描き方。たったこれだけの台詞で、それぞれのキャラを見事に表している。

・優三
家宅捜索のシーンで、優しくて、誠実で、責任感のある様が描かれた。最後にトイレに駆け込む描写があったが苦笑、「緊張するとお腹が痛くなる」という彼のキャラを描いたものであり、司法試験に落ち続けていることを彷彿とさせた。前作で、初恋の理由として「う○こ漏らし」を設定したり、空襲警報の最中に「大きい方でっか?出ましたか?」とトイレネタを延々と描いたのとは、全く別物であることは言うまでもない。

◆ストーリー展開の上手さ
まず「ザ・平和」な本科生活を描き、大庭弁護士と長男の登場で不穏な空気にし、ハイキングで爆発させた。その後に何をどう描くのかと思ったら・・仮面を脱ぎ捨て、素に戻った花岡による梅子への謝罪(←重点は梅子の言葉)と、寅子への「君のことばかり考えてしまう」・・笑笑。まさかの告白。戸惑い、後に浮かれた寅子がなんとも可愛いかった。ここで恋ばな突入かと思わせておいての、父逮捕。そう来たか。

はるが日記をつける習慣の描写。「俺にはわかる!」の兄の予想が外れる描写。よねがカフェーで新聞を読んで、明律女子部を受験した描写。今まで描いてきたことが、全て今回効いていた。まだある。涼子両親の重い空気と、母親が朝から飲んでいる描写(今回涼子は新聞を読んでいた)。寅子の明律法学部入学時の記事を、直言が嬉しそうにスクラップしていた描写・・今回は直言逮捕の記事を、寅子がスクラップしていた。また、手をついて直言の弁護をお願いする梅子に対して、何をバカなことをという態度で一蹴した夫と長男。今まで描いてきたことが、全て繋がっていた。

こういう丁寧な描写の積み重ねが出来るかどうかで、ドラマの奥行きに差が出る。描くべきことをきちんと押さえ、ピリッと締めるところは締める。緩急メリハリと、視る者を引き付ける怒涛の展開。制作陣(脚本演出)も演者も、よくわかっている。
ラストは「君のことばかり考えてしまう」花岡が、穂高教授を連れて猪爪家に参上!・・「君を励ますために、歌って踊れるパフォーマーの僕が来たのさ」「はて?」「撤回しろ!」いや、轟はおらんがな。・・白馬の王子ではなく、共に戦う同志であれ。今週も面白かった。来週も期待できそうだ。

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いいね!投票数 32 票
名前無し

~主軸を外さず、緩急メリハリ~
第1週の感想でも書いたが・・全体的に軽いタッチで描かれてはいるが、そうではない部分とのメリハリがあり、観ていて小気味良い。何より、コメディータッチでありながら、尺稼ぎのおふざけコントではなくテーマに沿った描き方をしている。

・女学生たちのキャラ
第1週で寅子と家族【特に母と兄嫁(元親友)】のキャラと関係性を描いたように、今週は女学生たちのキャラと寅子との関係性を描いている。
ドラマとしての主要メンバーだから寅子の周りに配置したという形ではなく、ナレを使って「クラスでなんとな~く扱いにくい一派としてまとまり・・」という【女子あるある】に描いた脚本はやはり上手い。だから一緒に弁当を食べても「美味しい」と「いい天気」しか会話が続かないと笑。わかるわかると頷きながら観た女性視聴者は多いだろう。普通の女性とは違う道を選び、その中でも異端な彼女たちだが、普通の女性の感覚があるということをサラッと描く巧妙脚本。また「扱いにくい一派からも扱いにくいと思われている」男装の麗人。個性豊かな面々の成長が楽しみだ。

・女学生vs地獄
①魔女部とか結婚できないとか言って、からかう男子。行為自体は「幼稚」(←きちんとそう言わせている)だが、そういう目で見られているという現状を描いている②穂高教授には腰が低く、寅子をぞんざいに扱う記者が書いた、悪意丸出しの歪曲インタビュー記事③その記事を見た近所の人たちの冷ややかな反応④法改正が見送られた・・①~④全て、寅子が踏み込んだ「地獄」を描いているのだ。ちなみに・・②の歪曲記者は前作を思い出させるが、③の記事を見た近所の人たちの反応は前作では完全スルーだった。今作脚本家は芸が細かくて良い。

・法廷シーンと女学生たち
寅子と穂高教授の呼び掛けで、貴族お嬢・弁護士妻・留学生の背景をチラリと描き、彼女たちが傍聴を決意したシーン。それに続いた大勢の女学生たちが法廷に向かったシーン。アッパレ!!今週描いてきた、メソメソする女・ヘラヘラする女・イライラする女・地獄の道に足を踏み入れたその他大勢の女たち・・彼女たちがそれぞれの思いを胸に立ち上がり、法と向き合う様を見事に描いた。劇伴も良かった。早く続きが見たい!明日も楽しみとあさイチでも言っていたが、まさに。「自由なる心証」による判決と、彼女たちの反応をどう描くのか。このズキズキワクワク感は何ヵ月ぶりか。

・法と女性たち
同期4人の背景は、今後しっかり描かれるだろう。寅子が自分にとっての結婚は「地獄」としか思えなかったように、彼女たちにもそれぞれの地獄があるのか。その地獄を変えるため?に、あえて地獄の道=法曹界を選んだ女性たち。男性が悪いのではなく、法が悪かったのだ。第1週で「スッキリはしないが、(原因が)ハッキリした」と、きちんと描いている。やはり、このドラマは脚本が上手いし、面白い。NHKプラスの視聴数が好調なのも納得である。

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いいね!投票数 31 票
名前無し

3日間視聴して、良いスタートダッシュだった。
◆オープニング
米津玄師の主題歌が朝から耳に心地良い。曲・映像・タイトルロゴの雰囲気も合っている。

◆ナレーション
尾野真千子の落ち着いた声が良い。寅子の心の声も代弁しているので、演技力を要するが・・彼女なら心配ないだろう。

◆キャスティング
岡部たかし・仲野太賀・小林繁・松山ケンイチ・・等々、芸達者揃い。期待大。ヒロインに伊藤沙莉・・期待と不安半々だったが苦笑、好印象。寅子のキャラに合っている。

◆脚本演出
導入としての、時代背景、ヒロインと周りの人間のキャラと関係性が3日間で(なんなら初日で)把握できるように描けていた。法曹(大学)シーンとプライベート(家族)シーンのタッチの差が、メリハリを作っていて良い。
寅子の見た目(個性派女優・おさげ髪→小夜)・台詞(梅丸歌劇団)・演出(書生の頭ゴッツン)・・等々、前作を匂わせるシーンがあったが、下品さや過剰演出がないので良い。制作陣の遊び心にニンマリ。
全体的に軽いタッチだったが、描くべきところはきちんと押さえていた。ヒロインの心情、特に人生の岐路における「苦悩や葛藤」をしっかり描いている。人間ドラマになっている。「連続テレビ小説」らしく、翌日に繋がる描き方も良い。

◆まだ始まったばかりでなんとも言えないが・・3日間の評価は充分合格点。星★★★★★!!笑。あっという間の15分だった。面白かった。明日も楽しみ。

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名前無し

よねさんの話が辛すぎるよ。

彼女は姉さんを助ける為に悪徳弁護士オヤジにその代償として嫌々ながら体を捧げた。多分、その時に処女も奪われたのだろう。
しかも、恐らく弁護士は彼女に金を渡す前にすでに中抜きしていたはずである。
そして、こうした彼女の身を切る屈辱的な行為も結局は意味なく終わってしまった。
彼女は女性の大事なものをあんな形でダマされるように失ったのだ。
なんという、哀しい話なんだ。つら過ぎる。よねさん、絶望しただろうな。

ドラマでははっきり体を捧げた事を語り描かなかった。察せよという描写で描いていた。
しかし、話を聞いた寅子と仲間達の衝撃を受けた顔がそれをもの語っていた。
また、カフェーのマスターの言葉もそれを裏付けしていた。
だいたいカフェーに住みこみ大学に通うなんて、普通なら出来ないはずだ。マスターも勤めている女給達もよねさんの悲劇を充分理解して共感しているから守り許しているのだろうと思う。

山田よねさんを通して当時の庶民の女性の立場と悲しみ悲劇をみせた見事で素晴らしい回だった。
彼女の悲劇を察してくれという風にさりげなく描いた脚本と演出が実に感心してしまった。上手いなと思った!
女の哀しみをこういう察してくれよというさりげないタッチで演出する名人の二大映画巨匠が吉村公三郎監督と成瀬巳喜男監督である。
なんか今日は成瀬映画や吉村映画を見ているような感じがしてうれしかった。
この朝ドラのスタッフはおそらくこの二大巨匠が大好きなはずだ。

ちなみに、よねさんに玉蹴られた法科のダサイ男子学生はザマーミロと思った。
だいたいあんな奴が卒業してよねさんを誘惑する悪徳弁護士になるんだろうから。

山田よねさんはもう一人ではない。法律の道と出会い、寅子達と出会った。
彼女には寅子とその仲間達がいる。カフェーのマスターやカフェーの人達もいる。
そして何よりも視聴者達がよねさんを応援するだろう。
私もその一人である。

さぁ、地獄の戦士となり寅子達と闘いまくれ❗
よねさん、応援してるよ!

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名前無し

なんだか世界観が受け付けない。
もう離脱しそうです。

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名前無し

◆巧みな脚本
「偽装腰痛」穂高教授の代理として、大庭弁護士が登場。以前の桂場代理講師も、そういう経緯・思惑だったのかとわかる描き方。ナレで余計な説明をせずに、視聴者の想像力をかき立てる。今作でのナレの役割(寅子の心の声)はちょっと特殊だが、絶妙なラインでハマっているのは、作品の世界観とナレの台詞を熟考している脚本だからだろう。前作のナレがアナウンサーだったように、単純に説明だけなら尾野真千子でなくてもいい。そうではないところに「虎に翼」らしさがあるのだ。

で、以前寅子たちがそれぞれの秘めた思いを胸に傍聴を決意したシーンで、梅子の背景としてチラ見せしていたのが・・「どんくさいなぁ」と言って母梅子を見下す息子と、それに同調するかのように冷ややかな視線を送る夫の姿だった。その夫が講義で梅子を揶揄し、梅子はスンッ。甘味処竹もとに息子が登場すると、帝大生への敗北感や屈辱感から今度は明律男子たちがスンッ。店主に「明律の皆さん、ご注文は?」と言わせる脚本がニクい笑。

その後の梅子の独白。良妻賢母になるべく戦わずにスンッと生きてきたが、戦う(離婚して親権を得る)ために明律法学部に来たのだと。やはり上手い脚本だ。「スンッ」が何を意味するのか。はるの、花江の、梅子の、そして明律男子の。それぞれの生き方や心情を「スンッ」の一言で表し、尚且つ丁寧に繊細に描いている。

あの時のチラ見せと、度々登場した梅子の差し入れのオニギリを皆が頬張るシーン。これらが彼女の背景を効果的に演出した。DV夫と戦うことを決意した妻の、あの裁判を梅子がどんな思いで傍聴していたのか・・今その心情を視聴者に想像させるとは、やられた。先によねの背景を描き、本科進学後に夫と息子を登場させて、梅子の背景を描くと同時に、明律男子も絡ませての「法曹界の現実」を描いた、計算された脚本である。

◆魅せる演出、演者たち
判例を再現ドラマ風に猪爪ファミリーが演じているが・・今回も数分のシーンに手抜きナシ、というか全力投球(笑)。犬(石田ゆり子)に噛まれた女、岡部たかしだったのが、美人と聞いた後には森田望智に。寅子の脳内イメージという設定を活かした遊び心が満載のシーンだった。

緩急メリハリが上手くいっている。酔っぱらって遅くに帰宅し「寅子が幸せならいい」と言ったり、休日にはるとの約束をキャンセルし出勤したり・・何かが起こっている父直言を、台詞以外の表情や佇まいでも表現する岡部。その彼が女装しての、ベタな演技を見せる再現シーン。贅沢だ笑。前作の脚本では彼の良さが活かし切れていなかったが、今作ではハマっている。

◆見応えある「人間ドラマ」
緩急を演じられる役者が何人もいて、クスッと笑えるシーンもあれば、じ~んと沁みるシーンもある。何より、本筋を外すことなく、ヒロインや周りの人物の心情や成長を描く「人間ドラマ」になっている。絶賛はダメ?・・あほか!じゃなくて・・はて?良いと思えば誉めるし、ダメと思えば嘆く。それだけのこと。途中で失速する朝ドラが多いので、「虎に翼」はこのまま頑張ってほしいと思っている。さて、木曜に何を描き、金曜にどう締めるのか。期待を裏切らない良い出来だったら、絶賛するかもしれない笑。やめろと言うのは「権利の濫用」というやつか・・。

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名前無し

◆各人の思いと決断を丁寧に描写
共に学び、勉強会を開き、合格を目指してきた仲間たちの【それぞれの思いと決断】。自分に再チャレンジの道はないのに、仲間と未来の女子学生のために日本に残っていたが、帰国せざるを得なくなった香淑。父の駆け落ちにより、家(母)のために婿を取ると決め、自分の道を断念した涼子。離婚を言い渡されたため、三男を連れて家を出ることになり、試験を受けることができなかった梅子。
そして、筆記試験は合格したものの、口述試験で不合格となった2人。自分を曲げずに合格してやると誓った、よね。「潮時」だとキッパリ言い切った優三。

◆脚本の上手さが際立った
それぞれの事情と心情が細やかに描かれていた。背景やキャラを今までにしっかりと描いてきたので、説得力がある。感情移入した視聴者も少なくないだろう。
特に・・よねの台詞。香淑に対しては「帰るなら今しかないだろう」と言わせ、涼子に対しては「お前はそれでいいのか!」と言わせたところ。また、よねの強さに憧れを抱いていた涼子に、最後に「あなたみたいに強くなりたかった」と言わせたところ。よねのキャラのブレの無さと、ヒロイン上げではないことがよくわかる。あと、以前は「次男と三男は夫のような人間にしたくない」と言っていた梅子が、離婚して連れ出せたのが三男だけだったところ。時間経過と梅子の悲しみの深さを見事に描いた。
また、直言はる夫婦に不合格を報告した優三が、今までありがとうございましたと深々と頭を下げた後に「寅ちゃん、そんな顔しないで」と笑って言うところ。たまらないシーンだった。仲野太賀、ここにあり。役者を活かす脚本(演出)に拍手を送りたい。

時間経過と言えば、他にも・・前年の筆記試験不合格後の家族会議ではお腹が大きい花江を描き、今年度の試験前では寝ている赤ちゃんを描いた。そして、その合間に外での勉強会のシーンや、家で優三と勉強するシーン。この一年間の寅子(たち)の努力する姿を上手く表現した。

◆寅子の思いと描き方
香淑・涼子・梅子・よね・優三の「それぞれの思いと決断」を受け止めた時の、抑えた描き方。そして、祝賀会での「うちのパパとうちのママが~」という(頭の中での)歌声に合わせて、共に戦ってきた同志たちとの回想シーンがあり、記者の質問をきっかけに「モヤモヤしていたものの答えがわかった」として、一気に爆発させて描いた。
これは、かつて寅子が優三に弁当を届けた時に穂高・桂場と出会い、初めて法律に触れ「スッキリはしないがハッキリした」と言ったことに通じる。また、卒業式で穂高が言った「おかしなことを変える力が君たちにはある」(要約)や、よね(久保田)の口頭試験で描かれた「トンチキ」なことにも。全て繋がる計算された脚本だ。

何より、寅子に「私が社会を変えたい」ではなく、「一緒に変えて行きましょうよ!」と言わせたのがいい。前にも書いたが・・フェミドラマではなく、弱者に寄り添うスタンスで描かれている。「困っている方を救い続けます。男女関係なく!」・・これだ。ビンゴ!笑。寅子の宣言で、ドラマは新たな章の幕開けか。益々楽しみだ。

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先週末に書けなかった分・・星★★★★★
◆重厚感のある法廷シーン
検察と直言のやり取り。演じる堀部の表情と、何と言ってもあの扇子を叩く音。上手い演出だった。静まりかえった法廷に響くパシッバシッという音が、自白を強要した検察の威圧的な態度そのものだった。それを聞き、過酷な取り調べがまた脳裏に甦った直言の、早まる鼓動が聞こえるかのような表情。最初に名前を述べた時の消え入りそうな声と、「扇子叩くの、やめてください!」と言った時の悲痛な叫び声。岡部たかしが魅せてくれた。

◆ストーリー展開と見せ方
「自白は強要されたものであり、真実ではない」と認めさせるまでの過程と、その描き方。判決文と、桂場と穂高のやり取り。いずれも見応え充分だった。また「猪爪家の長い戦い」からの「平和が戻った猪爪家」の描き方。直言はる夫妻の抱擁、酒を酌み交わす寅たち。羽子板と福笑いで季節感の演出も抜かりなかった。てか、目隠しされた優三の動き!笑笑。太賀の安定の上手さよ。で、このシーンから一転して、甘味処に座っている寅子の後ろ姿にシーンが切り替わるのだが・・先のシーンで優三に話しかけた寅子の手にはバックがあった。この細やかな演出は流石だった。
そして、寅子と桂場のやり取り。今までも「法律とは何か」を常に寅子に考えさせ、その様を丁寧に描いてきた脚本が、また新しい解釈を登場させ、次に繋げる形で描いた。しっかりと計算された脚本であることがわかる。桂場の松ケンと穂高の小林はハマリ役だ。この2人のキャスティングは大正解だろう。

◆法曹ドラマとホームドラマと・・
両輪のバランスがとてもいい。ヒロイン上げもなく、フェミの押しつけもなく、あの時代を懸命に生きた人々を描いている。主要人物だけでなく、脇役(寿司屋の大将や竹もとの夫婦。台詞のない通行人や竹もとの客たちでさえ)もイキイキと描かれている。100年前のあなたたちがいてくれたから、今の私たちがある。先人への感謝とリスペクトが感じられる。実にいい。今週も楽しみだ。

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◆登場人物のキャラ設定の上手さ
よねの背景が描かれた。納得の過去だった。金持ち涼子と真逆の、貧乏よねというだけの設定にしなかった脚本はさすがである。男性に対する敵対心だけでなく、「お前みたいなのがいるから、女はいつまでもなめられるんだよ」と、女性(寅子)にさえ激しい感情を露にしていた描写や、「法律は武器」という主張など、全て繋がった。

◆ストーリー展開の上手さ
まず「毒饅頭殺人事件」の全容を猪爪ファミリーに演じさせ、無声映画の活動弁士風に寅子に喋らせたのは見事だった。芸達者な伊藤沙莉の、逆「口パク」笑。
法廷劇の準備のために、猪爪家に集まった面々(よね不在にした脚本が上手い)。留学生の失言「女中発言」により、かねてよりモヤモヤしていた花江とはるの緊張関係を描いた。「家(母親)」に縛られている涼子の窮屈さも描いた。で、法廷劇にヤジを飛ばした男子学生との乱闘があり、女子部に対するサゲ記事。

この後に、よねの独白を描いたわけだが・・ここから「再検証」を描いた脚本の上手さ。花江とはるに協力してもらい、毒饅頭の検証をする面々。そこで、よねと寅子に言わせた「戦う女と戦わない女」についての台詞。そして涼子の謝罪から判明した、まさかの学長による「事件内容の改変」。誰がこの展開を予想しただろうか。見事と言うしかない。弱者の女を救う女弁護士という、「女」を都合よく利用した大学側。これ、なかなか深い。「女」を強調するのは(良し悪しは別にして)それを特別視しているからであり、度々描かれる月のモノとのあえての対比。一見フェミドラマに思われがちだが、そうではないはず。知らんけど笑。

更に更に、ここからどう描くのかと思いきや・・時間の無駄だと言って帰ろうとするよねに反論し、寅子に同志がいて嬉しいと言うはると、私は孤独だと言って泣き出す花江。そこからの皆の「弱音吐露大会」と、よねが吐くのは怒りでいいという寄り添い。最後は寅子のためにツボ押しするよねを、皆が囲むシーンで締めた。直前に、いつも通りに働くカフェーでのよねの姿を描いたのもさすがだった。

◆繋がる展開、ブレない主軸
先週描いた「法律は武器か盾か」と「戦う女」から繋がる展開だった。そこに「戦った女」よねの背景を絡めて描いたのが脚本の上手さ。「戦わない女」でスンッと生きる道を選んだ花江とはるを絡ませたのも見事だった。寄り添うことの意味や大切さを描き、辛くない人間なんていない、それでも皆生きていくという、最高のまとめ方だった。男も女も関係ない、人として・・である。

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◆秀逸な脚本
先週の家宅捜索の後で、はるが「こういう時こそきちんと記録しておかなくちゃ」という形で日記を書くシーンがあった。寅子は事件を報じた記事をスクラップしていた。そして、ナレは「猪爪家の長い戦いが始まった」とも。
はるに日記をつける習慣があることを今までにきちんと描いてきた脚本を、私は誉めた。また、寅子の記事(明律で法律を学ぶ女子)を嬉しそうにスクラップしていた直言を描いていた脚本も、私は誉めた。過去の小さなシーンの積み重ねにより、現在のシーンに重みが増していた。上手い脚本だと。

今日の放送を見て、それだけではなかったとわかったので、誉めるしかなかろう。はるの日記も寅子のスクラップも、ナレの言う「猪爪家の戦い」を記録するものであることには違いないが・・はるの日記に関しては「これからの記録」だけでなく、「これまでの記録」が意味のあるものだったのだ。
やられた。完全にやられた。はるの記録(日記)シーンを、寅子の事件記録(スクラップ)シーンとナレの「長い戦い」という言葉と同時に描いたことにより、はるの日記の持つ意味を「これからの戦いの記録」だと解釈させたのだ。

そして今日。直言の自白が嘘であることを証明するものとして、再びはるの日記を登場させたのだから、やられたと言うしかない。しかもそれは「主婦之手帳」であり、まさしく戦わずにスンッと生きる人生を選んだはるの、主婦のささやかな武器(直言の台詞「母さんはな、父さんに読んでほしい時は手帳を開けてあるんだ」)でもあったのだ。

「戦わない女=家族を支え、家庭を守ってきた主婦」はるの日記が、法曹の敵(←自白してしまった)と戦うための武器になった形だ。戦う・戦わないのくだりを丁寧に描いてきたのも、やはり随所随所で効いてくる。今まで度々「上手い脚本」と評価してきたが、今日は初めて「秀逸な脚本」と評価したい。

◆寅子の戦い。法曹・家族・同志。
初回から1ヶ月。ヒロイン寅子を中心として、家族の話と、法律を学ぶ同志たち(女子)の話を描いてきた。男子が加わり、恋ばなを匂わせたところで、父直言の逮捕を描いた。上手い展開だ。法曹界という女子にとっての「地獄」の道を進む【寅子の戦い】を描くのだと勝手に思っていたのだが・・そうではなく、ここで【猪爪家の戦い】を持ってきたのだ。

そのことにより、フェミドラマではないことがわかる。ヒロイン上げドラマでないこともわかる。コメディーでないことも(←どこを見たらコメディーと思うのか、私には謎だが苦笑)。
無力だと痛感し、情けないと嘆く寅子の姿を描いた。そんな寅子を励まし、寄り添い、頼りになる優三の姿を描いた。迷惑をかけたことを謝罪する寅子の姿と、寅子のために結束した同志たちの姿を描いた。まだ何者でもない寅子だからこそ描けたシーンの数々。そしてこれらの仲間たちとの絆や信頼関係を、例えば舞の学生生活のように「若者たちの青春物語」という軽いものではなく、「戦い」が根底にあるものとして描いているところに、脚本の上手さが見て取れる。また、岡部たかしの存在意義がある。俳優を活かすも殺すも脚本次第。前作で殺された岡部が、今作で魅せる演技はハンパない。この事件エピがいつまで続くのかわからないが、重厚で見応えのあるシーンが見られそうで期待大である。

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すごい作品

寅子は成長している。

最初の頃はまだ女学生、卒業前に結婚するのが良の風潮も結婚が女性の幸せと言われるのも
“なにか違う…”とモヤモヤ。でも何故そう感じるのかはわからない。
親友と兄の結婚で、結婚式での女性たちの振る舞いにますます “何でなんだ?” と腹が立つけど
まだモヤモヤのまま。

そんな中、法学部に弁当を届けに行って耳にした「女は無能力者」に思わず「はぁ?!」
教授が「続けて」と促してくれ、疑問を口にする事ができ、授業を見学したことで
「すっきりはしなくてもはっきりした」

法を学び始めて傍聴に行った民事裁判で、結婚した女性の権利の無さに怒り、
女性の立場や財産を守りたいと決意、母や親友に「私が守ってあげる!」と宣言する。
この時父が「俺は守ってくれないのかぁ」と言ったことが、後にあんなに意味を持つとは。

父が巻き込まれた事件を経て、必死で立ち向かう中 “不条理は女性だけではない” と知り
大きな政治的社会的問題に直面する。この時点で “女性を救いたい” からさらに成長する。

そして高等試験合格を共に目指してきた学友たちのあまりにも残念な離脱。
最後に思い出をと海に訪れた時、友に請われて歌った歌は、
親友と兄の結婚式での捨て鉢な歌い方とはまったく違う、友を励まし元気づける明るい
歌い方だった。

この数年間で大きく成長した寅子は、最初の頃と話し方もまったく違う。
思ったことを捲し立ててしまうことも無くなり、場の状況や相手の思いもしっかり考えて
発言を控えたり、より適切な言葉を選ぶようになっていった。
「スン」と黙ってしまうのではなく、慎重に自分の発言に責任を持つようになっていった。

それに伴い、モヤモヤした心の声を表していたナレーションも落ち着いてきた。
寅子の知識や理解が深まるにつれ、知る世界が広がるにつれ、寅子の頭の混乱が減り
信念が定まってきていることがわかる。
祝賀会での演説に、この間の寅子の成長が本当によく表されていた。

昭和14年、これからますます困難な事態や社会情勢が訪れることは予測できる。
その度にまた悩み苦しみ悔しがるのだろう。そして、必死に努力しさらに成長していくのだろう。

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「ブギウギ」よりこちらの方がよほど、「義理と人情」の世界と話になると思うよ。

モデルの三淵嘉子さんは家裁の 母と呼ばれ、今日の家庭裁判所の理念を造り上げた女性である。その理念とは、「仁の心」と「罪を憎んで人を憎まず」。
それにより三淵さんは多くの不良少年や少女を救済して彼等から慕われ、不良少年と不良少女の母とも呼ばれた。

恐らくドラマの後半では家裁の裁判官になった虎子による、様々な泣ける人情裁判話が展開すると思う。
例えばドラマの「イチケイのカラス」や漫画「家裁の人」のような話みたいのが。
そして恐らく涙の裁判の話で話題になる事でありましょう。

その時こそ、女優伊藤沙莉ちゃんのキャラとあのハスキーボイスの魅力が発揮する時だと私は思っている。
人情裁判官役には彼女は実にピッタリ適役だろう。

「罪を憎んで人を憎まず」の理念にもとずく虎子の裁判の世界は、それこそまさにホントの義理と人情の世界になるはずだ。
だからスゴク楽しみです。
半年間虎子を応援していくつもりであります!

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直言さんが「あの日からやり直したい。いや、やり直したいだけじゃなくて…」の後、なんと言おうとしたのか気になる。想像をくすぐるところがまた良い。
はるさんの涙で浮気疑惑が晴れた事で「猪爪家の共亜事件は終わりを告げました」とするナレーションも良かった。巷では金融界トップ16人が世間を揺るがせた大事件が、寅子の目線ではお父さんが不穏な動きを見せ始めた時から家族間に嵐が巻き起こる死活問題だった…というのが。酔って娘の前でつい寝そべったのも…妻との映画をふいにして休日出勤したのも…はるさんに浮気を疑わせたのは「俺にはわかる」直道兄さんのせいだが、「社会的にはささいな一家族の軋轢でも、その家族には国家の一大事と同じなんだ」と世間と猪爪家をシンクロさせた描かれ方が地味に効果的だったと言いたい。法廷シーンの風景だけだったら登場人物たちに親近感がわかず、猪爪家内のトラブル風景だけだったら国レベルの事件の大きさが感じられなかっただろう。両方を連動させたのが効いていたと思う。事件や裁判は新聞紙面だけの机上の空論じゃない、汚職が親子や夫婦に痛みを、法廷で無実を勝ち取る苦しみを一家に与える、生身の人間に起こっているのだと見せつけた。

実にいい・そのまま行きたまえと若い法律家を後押しする役目は穂高教授にまかせ、桂場を変に達観させず常に現在進行形のキャラクターに留めているのもいい。寅子にアドバイスしたり知識をひけらかすような出しゃばりでなく、自分もまだ進化中、でも先に進んでいるだけという立場で会話しているのがいい。彼のような大変有能な人間でも馴れ合いや妥協していたらたちまち追い落とされる、そして更に優秀で厳格な人間もごろごろいる、法曹界とはそういうところなのだという厳しさが彼を通して伝わって来るのがいい。

自分も香淑や轟さんが主役になる話がぜひ見たい。

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名前無し

猪爪家が検察の家宅捜索でてんてこ舞いになった後、兄周作が遅く
帰って来たとき、遅いぞお兄さん!と怒鳴る寅子の絶妙なタイミングが
滑稽だった。その前に国家権力をかさに着て無礼な検察に男らしく
対応した優三が頼もしかったし、緊張で急に腹痛を起こすギャップが
人間味がありユーモラスだった。脚本が巧くて仲野太賀さんの演技が
秀逸だったので下品さは感じなかった。窮地に追い詰められた寅子や
家族を助けるため塀を乗り越えてやってきた花岡と穂高教授登場も
面白くて安堵させてくれた。ユーモアを巧みに入れながら心和ませてくれたので、
これから父直言の無実を証明する重厚な展開になっても怯まず
見ることができる、これから寅子たちの戦いを見守り応援したい。

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名前無し

いくら伊藤さんの特徴とはいえ声のトーンが良くない。
半年間毎朝これは正直きつい。

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名前無し

法律をテーマに法律家の志しを貫き男女関係なく弱い者を救い続ける人間愛を描く方向性を定めて見応えがあります。またヒロイン寅子は活発で歯に衣着せぬもの言いだが根は優しくて思いやりがあり、同期たちがそれぞれの事情で志し半ばで諦めた無念を自分のことのように悲しみ涙を流す優しい一面を見せて魅力的だ。

理想の法律家になるため大学でも自宅でも仲間の集まりでも懸命に勉強している場面を見せて努力する寅子が描かれた。例え勉強している場面を見せなくても、筆記試験を終えて家に帰り梅子から届いた手紙で試験を断念した訳が分かり同情して泣き崩れるも、梅子のためにも頑張ろうと六法全書を出してそこで場面が変わるが、その後一生懸命勉強したことが想像できるしそう思わせる演出が巧かった。

合格祝賀会での寅子の演説が良かった。志し半ばで諦めたもの、学ばせてもらえなかったもの、そもそも学ぶ選択さえさせてもらえなかったもの、当時の法律で虐げられた女性たちの為に使命感を持って男女をふるいにかけないで平等な社会を一緒にやろうと訴えて、女性の地位向上は勿論男女関係なく困っている方を救い続ける良き弁護士になると宣言した寅子は最強ヒロインとして輝いた。有言実行の寅子のこれからの活躍が楽しみだ。

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「ごめんな、寅」から一転して無罪に主張を変えた直言さん、そう来なくっちゃ!。昨日の「どうなるんだ」とやきもきする幕引きからの嬉しい幕開け、正統派の連続ドラマだな〜と感じました。今日も判決の直前で「どうなるんだ」と終わる幕引きで、明日はまた嬉しい幕開けか、それとも悲しい幕開けになるのか……。正しく連ドラしてますね〜〜(笑)。

このドラマの寅子を含めた同志5人のキャラクターが好きです。上流の低ぐらいの家柄で皆を動かすムードメーカーの寅子、貧しい農家の出で力が欲しいと男のなりで生きるよね、華族令嬢なのを生かし今回も被告16人の罪状記録を手に入れた涼子、無能力者の既婚女性の大人目線で下の子の親権を望む梅子、留学生ならではの視点で優しくしてくれた梅子に感謝する崔香淑。
みな全く違う身分の出で、全く違う理由で法律を志す。とても性格の住み分けがわかりやすく、見ていて大変気持ちがいい!。よくまあここまで潔く5人キャラが立つ設定にしたものです。これから物語が進むにつれ当然各人が独立し離れたり、誰かが脱落したり遠くへ行ったりしそうだけど、この5人の友情は最後まで変わらず描いて欲しいと強く望みます。
とりあえず、崔香淑が法律を志す理由も知りたい。これから外国人差別の問題で彼女がメインになるようなエピソードが予想されますが、果たしてどうなるでしょうか。

尾野真千子さんの主人公の心の声となっている語りについては他所では「心地良い」等といった声と、「ヒロインの代弁までする必要は無い」と賛否両論の話題になっていますが、このレビュー欄ではあまりにも後者に偏り過ぎていると感じます。私は新しい試みで面白いと思います。主人公の女優さん以外の声が主人公の心情を語るというのはともすれば寅子自身が気づいていない深層心理の神の声・悪魔の声とも取れたり、もしかしたら若い頃の自分を回想する未来の寅子の声なのかとも感じたり。ドラマ中の寅子が実際口にしない言葉を我々だけに出して来る意外性が有り、これからどんな語りが飛び出すか興味深いです。

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穂高教授が猪爪家の玄関から正攻法で入り、わざわざ記者たちに有る事無い事想像させ書かせるような、ともすれば「私が猪爪直言くんの弁護をします」と勘ぐられるような事をする必要がどこにありますか?。穂高教授の性格なら「猪爪くんとその家族に迷惑がかからないよう」配慮して、報道の目を盗み人目を忍んで入るのが普通でしょう。
寅子が学校を休んだのは父不在の状況で母や弟らが記者の好奇の目にさらされてるのですから、家で支えようとするのが当然。この状況で登校したら「こんな大変な時に何をのうのうと大学へ来ているのか」と非難もされかねません。世間の猪爪家の印象も、裁判での直言の心象も悪くなる。いくら「父と自分は別人格」と主張しても世間には通らず猪爪家全員が悪という目で見られますから、寅子の一存で勝手な行動はとれません。
加えて寅子が登校すれば女子部の時のように男子生徒が中傷し、よねや涼子たちにも迷惑がかかる。
寅子自身は大学を休む気がなく家族や知人の為に、おそらく花岡に大学の様子を伝え聞き説得されてから再登校を決めただろう事は、花岡の先導で教室に復帰し「皆さんご心配おかけしてすみません」と謝った事から汲み取れます。

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名前無し

ほのぼのとした心和む場面から一転してシリアスな展開になり起伏があり見応えがありました。共亜事件に巻き込まれた父直言は贈賄で逮捕されて寅子たちに最大の試練が訪れた。悔しがるのも泣くのもあと、落ち込む寅子を励ました下宿人の優三は頼りになり男らしかった。また兄周作も家族を励まし長男として頼もしさを見せた。二人の男性が猪爪家の支えになった。父の無実を信じるも先が見えず母はるは元気がなくなり寅子も必死に耐えて猪爪家は不安な日々が続くが、捨てる神あれば拾う神あり、寅子はこれまで大学で真摯に学び友人から信頼を得たのか、新聞記者を避け、塀を乗り越えて穂高教授と花岡が父や猪爪家を救いに来た。光が見えて次に希望が繋がって良かった。

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