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視聴率狙いのドラマ作りをするのであれば、心役はテレビでの露出が多い他のかわいい女優さんの方が良かったもしれませんが、この『重版出来』では主演の黒木華をはじめ個性派の実力者揃いのキャスティングに「本物のドラマを作るんだ」という制作サイドの本気度が見て取れました。岡部長流に言えば「TBSは攻めるなー」といったところでしょうか。
主演の役者が高いパフォーマンスを発揮すれば周りの共演者達が刺激されそれに応える演技をする。その結果、見ごたえのある良いドラマが生まれると思います。
今回のドラマでは名シーンが数多くありましたが、心と高畑一寸とのからみは印象的なシーンが多く、特に第3話の心が高畑にネーム直しを要求するドアー越しのバトルや、第9話でエンペラーへの移籍話しを知った心が高畑とやりあうシーンが秀逸でした。お互いが顔芸の応酬を交えて火花を散らすところに二人の役者魂を見たような気がしました。
高畑一寸役の滝藤賢一という役者はイメージ的にひ弱で神経質な役が多かったような気がしてましたが、今回のドラマでそのイメージを一新したように思います。中田伯役の永山絢斗にも言えることですが、黒木華という力のある役者を相手に対峙することで、より高いパフォーマンスを発揮することが出来たのではないかと思います。
黒沢心の役を他の女優さんが演じたらという仮定の話は意味がないように思いますが、黒木華という女優は今回のドラマ作りの上で重要な起爆剤の役割を担っていたということは間違いないように思います。キャスティングは良いドラマ作りには欠かせない大切な要素ですね。
編集者って不思議な仕事だね。実際は安田みたいにビジネスライクに徹底して売れるものだけを追求する人の方が多いのかもしれないけど。
でも、ピーヴ遷移は中田伯の魂の叫び、過去の呪縛から抜け出す闘い、中田伯の人生と命そのもの。心はだから、担当としてそういう中田伯の全てを受け入れて理解して、一緒に歩まなきゃいけない。そうしなければ絶対に完成を見ない類の作品だ。時として、人一人の人生にそこまで寄り添わなければいけない仕事なのだとしたら、なんて怖い職業だろう。でも、そうやって生み出されてきた作品もきっと現実にたくあって、だから読者の心を抉る傑作ができるんだと思う。
一方では、漫画家一人の力じゃ思いもよらなかった世界観を編集者が提示することもあり、そうやって作られたツノヒメがファンにとってはもちろん、漫画家や編集者にとってもミューズになったりして。
漫画って何なんだろう、と考えてしまう。生命を維持するのに必要不可欠なものなんかじゃない。むしろ、有事には真っ先に切り捨てられるただの娯楽。でも、大の大人がその漫画のために、魂を削ったり、泣いたり走ったり、愛の告白しちゃったり。形振り構わずにそうやって出来た作品が、読者の心を抉って、揺さぶったり。
そんな人達のドラマを見ている私の心も抉られて、揺さぶられて。フィクションだけど、娯楽だけど、こんなにダイレクトに心に響いてくるものを所詮、漫画、ドラマ、ただの物語ってどうしても言えない。私はやっぱり漫画も小説もドラマも含めて、物語というものが好きだと思うし、誰かが命がけで生み出したものを食べて、エネルギーをもらって生きているという実感がある。
あと1話しかないのか。もうこの人達に会えなくなっちゃうのか。沼田さんにはもう一度会えるみたい。できれば東江さんも出て欲しい。
現状の不満をたらたらこぼしながら、自分では何もしない。楽そうに見えて、そういうのが実は一番しんどい。そうやっているうちに、全力出す元気もなくなってきて、疲れていって…。
心は全力で頑張ることの気持ち良さを知っているんだよね。小泉君もその気持ち良さを知ることができて、本当に良かった。タンポポ鉄道フェアコーナーのくだりは、なんか無性に泣けてしまった。
熱さを持っている人というのは、少し話しただけですぐ伝わってくる。やっぱり熱意のある営業さんだと、頑張ってコーナー作ろう、とか思ったな、そういえば。だから、心が少し話しただけで気難しい書店員を陥落させたり、どこへ行ってもすぐ気に入られる理由はわかる。ストレートな熱さを他人にまで感染させる人間…黒木さんはそういう人物像を実に上手く演じている。また、心が一度は本気の全力を否定されて、そこから立ち直ってきた人間だというのが良い。全力出しても跳ね返されるのが、世の中ってもの。それで普通は全力出すのが怖くなって、何もしなくなっていく。でもこのヒロインは、また別の道で全力で頑張る生き方を選んだんだよね。そこが頼もしい。心底、応援したくなる。
昨日の回にはずいぶん励まされた。最後に全力出して頑張ったのいつだろう?何に対してだろう?自分も何かに全力を出してみたいって気分なった。我ながら単純だけど(笑)。でも、春にこういう真っ直ぐなドラマを持ってきたのはすごくいいな、と思う。元気を分けてもらった。
来週は滝藤さんメイン回かな?昨日の一場面だけでも、目が吸い寄せられた。ほんと、味のある役者さんだなあ。今回の生瀬さんもすごく良かった。一話ごとにあの、超ハイレベルかつ個性的な俳優さん達一人一人をじっくり味わっていけるのかと思うと、ワクワクしてくる。
スーッと真っ直ぐ心に入ってきた。見終わって気分は爽快。よくある展開だったとしても、見た後にスッキリして元気になれるならいいドラマだと思う。
黒木さんのコミカルな演技には、不安があったけど「鬱陶しい」と「憎めない可愛さ」のギリギリのラインを突いていて、4:6で「憎めない」が勝ったって感じ。狙ってそういう演技をしているならすごい。心ちゃん、好きになったよ。
それにしても、オダキリさん、松重さん、ヤスケン、滝藤さんと好きな役者さんばっかりこんなに集まっててびっくりだ。次回は生瀬さんも登場か〜、嬉しい。
何より嬉しいのは、この豪華メンバーがお互い潰し合わないで、しっかり持ち味を発揮できそうなこと。有名俳優たくさん揃えて力入れて作っても、バランス悪くて思いの外つまんない出来になったっていうドラマも多いからね。
皆さん芸達者でいらっしゃるから、きっとこのドラマは大丈夫なはず。初回のこの勢いのまま、突っ走って欲しい。
複数の話が絡まりながら同時進行して、それぞれのシーンでそれぞれの登場人物が主人公になったように展開していきます。本当の主人公の黒沢心が直接関わらない話もあったりします。しかしその接点で心ちゃんは大きな役割を果たしているんですよね。
毎回その中身の濃さで1時間ドラマとは思えないほどたっぷり観た気にさせられます。
登場人物たちのクセのあるキャラも魅力的です。
昔からこういう「業界モノ」のドラマがたくさんありましたが、ほとんどは誇張しすぎた表現でこのドラマほどの説得力はなかったように思います。出版業界のことはよく知りませんが、とてもリアリティを感じる部分があります。
あと2回ぐらいでしょうか。
心ちゃんは問題児中田伯をどう育て上げるんでしょうか。
あがりえさんはその後どうなっていくんでしょうか。
すでに私は「2」を期待しています。
視聴率なんてもうみんな録画して観ているので無意味でしょ。
何とも言えない後味。感動、切ない、苦い、苦しい…何と言い現わしても違うような。いつものように小熊が正論で打ち破る話じゃなかったからだろう。そんな事では立ち行かない現実がある。わかっていながら、それでもファンタジーとして、小熊の真っ直ぐさが通用する世界を最初は楽しみ、元気を貰い、でも段々と薄っぺらく思えてきて「なんだかな…」となってきていた所にこの話。やられた、と思った。話の構成もすごく練られたドラマだと思う。
正直、安井の捻くれ具合は過去になんかあったんだろうなとは想像できたし、廃刊のくだりを見ても「だからって、今現在の担当漫画家に当たることじゃないだろうに。自分のトラウマは自分で処理しろよ」としか思わなかった。でも、最後の編集長の言葉で、全ての安井の言動の意味が逆転した。お見事。そうか〜、ああ、そうだったのか。瞬間、安井の人物像が立体化して、こちらに向かって迫ってきた。いつも通りの遠ざかっていく背中が、絶望と苦しみを自分の中だけに閉じ込めて、決して他人には請け負わせず、そうすることで漫画の希望を守り続ける孤高の背中になっていた。安田さん、やっぱり凄い。底力を見せつけられた。
バレそうになったら、ツイッターのアカウントも即座に消し、絶対に心の弱い柔らかい部分を人に見せようとしない安井が唯一、微かに動揺を見せたのが東江さんの「道具になりたくない」という発言だった、という所も良かった。ああ今、確実に安井の心に刺さったな、というのがこちらにすごく伝わってきて、東江さんの言葉はそのままズッシリ、見てるこっちにも残る棘となった。
近年、いくつもの雑誌が廃刊になって、もうどんなビックタイトル廃刊のニュースもそんなに驚かなくなっていたけど、その裏でどれだけの人の人生が狂わされてきたんだろう。色々と考えさせられる重たいテーマだったと思う。
正直、不満がないわけではない。
たまにある漫画的な演出はくどかったり安っぽかったり。
松重さんの演技だけなぜか薄っぺらく感じたり。後田親子の故人を絡めたエピはありがちな設定であざとく、入り込めなかったし。三蔵山先生のデッサン狂いも見直しの時に気づくでしょ?とか、キックスのカバーデザインだせーよwとか、小料理屋の女将は木村多江が良かった!とか、良い話だけどそれ全部セリフで処理しちゃうの?(3話の壬生)とか、とかとか…
しかしですね、2話、6話、7話、9話が素晴らし過ぎて満点以外ありえない!最終話なんてもう愛しかなかったですもん!間違いなく今期ナンバーワン。どころかここ数年単位で見ても1番面白いドラマだと思ってます。
心が毎回美味しそうに食事するシーン、黒木華&ヤスケンの決して涙は流さないけど涙を溜めるにとどめる演技、真面目な高田純次、ムロさん会心のアドリブ「もうずっといるよー」、五百旗頭のバランスの悪いヒゲの生え方、いちいちカッコ良過ぎる岡部長、一寸先生の仁王立ち全裸、ずっと猫背の三蔵山先生、心のファッション、なんか夫婦っぽく見える菊池と壬生、メロンヌ復調、「印税は貯金」、ブレない安井、「バイブスの和田ですぅぅぅぅぅぅぅ」からのタイトルバーーン!、山縣先生と会った時の河さんの表情、中田伯のすべて、東江さんの笑顔、ゲゲゲで編集やってた梶原さんが書店員に!あと水木先生のエピとか、、とかとかとかとかとか好きなところは挙げても挙げてもきりがありません!まじで!
基本的に1話完結型なのに各エピソードが後々上手く活かされていくのも見ていて気持ちよかった。また全体を通して対比がすごく秀逸だったと思います!
演者やスタッフ、全面協力の小学館etcも含めみんながプロの仕事をこなした結果ですね。
何が何でも続編期待してます!
うろ覚えだけど原作に菊池回あったよね?あれもドラマで見たいなーー。あとやがて大金を手にするであろう中田がそのお金を何に使うのか?アユちゃんとの再会は?とかいろんな妄想が止まらない!
野木さんのツイートによるとDVDの予約状況は好調らしい。俺も買います!おまけ映像たっぷりでお願い笑
本当に素敵な作品でした。出てる俳優さんがそれぞれ個性があり魅力的でした。録画しながらもリアルタイムで観て何度も繰り返し観てました!どの回も好きですが第5話のアメニモマケズの詩の内容初めて知り感動しました。最終回の三倉山先生が中田くんにオニギリが出来るまでの過程の話をしてましたが、この世の中のモノ全てに当てはまりますね。そう考えると世の中は優しさでいっぱいです。それに気づかされたドラマでした。小熊さんの素直で真っ直ぐで真摯な姿勢、見習います。
電子書籍化が進みどんどん紙の本が売れなくなって書店が潰れていく一方で、かつては一世を風靡したもののその後落ちぶれたアル中の漫画家が電子書籍化で再起の足掛かりを得る。
同じく天才肌の新人漫画家で同じようにネーム作成につまずきながらも、他人への共感性の高い大塚は編集者のアドバイスですぐに自分を取り戻し、一方共感性の低い中田伯は迷いの森から抜け出せない。
毎回、対比を生かした構成が見事で、登場人物の苦悩がわかりやすく伝わると同時にいろいろ考えさせられます。
今日の後田先生の亡き妻の話には泣かされました。奥さんは漫画家である夫の犠牲になったのではなく、ともに夢を追っていた。幸せな人生だった。それが娘に伝わって本当によかった。
毎回、漫画界の厳しい現実を描きつつも、必ず心温まるシーンがあるのでこのドラマが好きです。
中田伯も早く自分を見つけてほしいな。
ちょっと痛すぎて、自分の中ですぐには消化しきれない、今回。先週より更につらいー!!
沼田さんと自分、ほぼ同年代だ。この歳になると、振り返り始めるんだよなあ、自分の人生を。これだけ生きてきて、何か成し遂げたかなあ?って。「いつか、いつか…」って言ってられないタイムリミットを突然、自覚するんだよね。
子どもの時からずーっと漫画のことだけ考えて生きてきたのに、方向転換できるものかな。わからない、想像できない。沼田さんが今後、本物の満ち足りた時間を持てるのか。「きっと普通に幸せになれるよ、いい人だから」とか気軽に言えないものがある。そんな一般論じゃなくて、自分に引き寄せて考えてみると、もう全然わかんない、答えがない。五里霧中でも真っ暗でさえもなくて、突然目の前から道も景色も全部消えて、空白に投げ出される感じ。
でも、このままアシスタントを続けても、やっぱり先が見えなかったんだよね。漫画家になる将来の自分を思い描けなかったんだよね。どちらに行っても何もない。でも、決断しなきゃいけない潮目だった。重たい〜。歩いてきた40年がすごく重たい〜…。
私には、このドラマが綺麗ごとだけとはどうしても思えない。沼田さんには思い直して頑張り続けてほしかった。でも、そうならないのが現実だ。
知らないだけで、世の中にはたくさんの沼田さんで溢れている。漫画家になりたかった人だけではなくて、大きな夢からささやかな夢まで、抱いては敗れ去った人達で溢れている。夢を叶えた人の何十倍も本当はいる。主人公になるのは、いつも成功した一握りのヒーローだけだけど。
でも、だからといって敗れた人には何もない訳じゃない。負けた人にも物語はある。沼田さんには沼田さんだけの物語がある。本当は沼田さんにしか描けなかったもの、形になるはずのもを中田君だけは見つけてくれた。礼儀も知らない空気読めない中田君。でもその代わり、ど直球で、絶対嘘を吐かないから。そんな彼を泣かせるってすごいよ。わかってくれたのが中田君で、本当に良かったね。
わーん!でも、やっぱり悲し過ぎるわー!!!
もう、当分落ち込む!今回は感情移入しすぎた!
内容が誰でも理解出来る、超クライマックス的な場面(医療ものは困難な手術の成功、刑事ものは推理の末の犯人逮捕、企業ものはライバル社が大企業で失敗しそうだったプロジェクトの達成等)今はドラマに日常は求められていないので、これらが無いと感動を生んだり共感したりが難しくなっているように感じます。
このドラマの凄いところは普通に過ごしている各編集者や漫画家のキャラが確立されていて、彼らならこうする彼女の立ち位置はブレないと
日常会話の中にあるいは普段好んで着ている服装や持ち物にさえ
個性が溢れていて雄弁に個人を語っていた。
ドラマティックな大逆転や美男美女の大恋愛、勧善懲悪だけがドラマじゃない自分のやるべきことを必死に行い読者に作家のメッセージを伝えていく繰り返される粛々とした日々の中に大いなるドラマがある事に気付かせてくれた。
こんなドラマがこれからも制作されるよう祈るばかりです。
文句なくおもしろい!何度でも見直したくなるそんなドラマでした。本当にいいドラマで視聴率が伴ってとなると難しいかもしれないですが、見た人の心にきちんと残るドラマは貴重だと思います。流行りの人ではなく、バタバタの展開ではなく、本当にきちんとしたドラマ。そんなドラマをこれからも作ってほしいです。視聴率なんてくそくらえです。
漫画の実写化が難しい現状で、こんなに良い作品に仕上げておいて、わずか10話で終わらせてしまうTBSは責任を感じた方がいい。制作側が良い作品作っても売り出す側が不甲斐ないとこうなるんじゃないのか? まるで作家(漫画家)と編集の関係そのものじゃないか。いい加減視聴率みたいな曖昧なものに振り回されて素晴らしい作品を中途半端に世に出すのはやめていただきたい。とりあえずTBSは続編作って視聴者に誠意を見せなさい。
なんて密度の濃いドラマでしょうか。それなのに、見終わればなぜか清々しい。自分にも清らかな涙が流せるんだなと再確認してしまいました。
五百旗頭が過去に担当作家のエンペラー移籍を止め無かったことの真意が「伝わってない!」と、歩きながら心の叫びが思わず口を突いて出てしまうところ、あるある、わかる共感しちゃう。
一寸が、はじめはチャリンコで、今は沢山の人間を乗せているジェット機なんだよ、との台詞、カッコイイ!台詞が良いよ。
中田画伯、弱い人間が強く生きようともがいている、それがピーヴ。これは彼そのもの。連載が決まった時に漏らした叫びは、彼がまた何かを獲得できた証だと思う。殻がまたひとつ破れた。
来週が最終回だなんて残念すぎる。
1時間の中で見せ場が沢山あり、全てが印象的。こんなドラマもあるんですね。
人気だからといって下手な役者を使わないこのドラマ、本当に地に足がついた作品だと思う。
とりあえず、明日、虫除けはアース製、乳製品は雪印、ストックのラーメンはサッポロ一番を買いますよ!焼酎は飲まないけれど、友人にはいいちこを勧めます。
だから、続編お願いします。
いつもながら、胸に響くお話でした。まず気になっていた安井さんの過去。その人間性が救いのあるもので、良かった。
私は始めから、安井さんのつぶやきのなかに、心ちゃん...小熊に対する愛着を感じてたので、それが昔の安井さんそのものを投影してたということに納得しましたし、良かったとホッとしました。
思ったより精神的に辛く苦しい、その背景には驚きましたが。
土日も昼も夜も、家族を犠牲にしてまで働いて、そのお仕事が本当に大好きで、そのお仕事に携わる人間関係も大切に、何よりやりがいを感じてたはずなのに。
廃刊という現実に、そのすべてが崩れ去ってしまった。
本当に...結果も、評価も、何も気にせず良い作品にだけ向き合えたなら、どれだけ幸せなんだろう。
でも、会社が評価するのは数字だけ。
やっぱりドラマの世界とどこか通ずるものがありますよね。
安井さんの、絶望...どうしようもない失望感が伝わって、私も苦しく、切なかった。
現在は、やり方を変え、結果を残して家族との時間も増えたかもしれない。
でもそれが自身の幸せなんかじゃないことに、心ちゃんはじめ、新人さんたちとの触れ合いのなかで、安井さんはもう気付いてるよね。
本当は大好きでたまらない、漫画。涙に潤んだ真っ赤な瞳が、その証。
もう一度やり方を変えてもいいと思う。ほんの少しだけ。せめて頑張った漫画家さんに、よく頑張った。お疲れさん、と言えるよう。
そう、離した手は...また繋げばいいんだから。
中田氏の漫画を重版出来のサイトで見てみると、本当にド下手!な絵でのけぞった。テレビで一瞬映されただけではわからない下手さ加減だった。確かにこれを掲載するのは大冒険…。よくGOを出したもんだよ、編集長。でも、こんな大冒険をできるのも、安井がコンスタントに売り上げを立てているからであり、表面上は小熊が見出し見捨てなかったから花開く中田氏なのだが、決して小熊だけのお陰という訳ではない。しかし、その安井の売り上げ重視な姿勢のせいで東江さんは潰されかけたのであり、いわば中田氏のデビューは東江さんの犠牲の元に成り立っていた、ということになる。デビュー時期から得意不得意分野、何から何まで対になっている2人なのだ。
そして、小熊は一方的に影で安井に助けられている訳でもない。
東江さんは自分で考えて、安井と決別した。それは東江さんの中にどういう漫画家になりたいか、というヴィジョンが明確にあるということで、これがあるから東江さんは潰されない、きっと這い上がってこれる、と視聴者は思える。でも、それだけではなくて、彼女が本当にしんどい時に、小熊がちゃんと駆けつけてくれたこと、「離した手はまた繋げばいい」と力強く言ってくれたこと。これがどれだけ、大きなことか。
もしかしたら、小熊の存在がなかったら東江さんは途中で挫折するのかもしれない。その可能性もある。少なくとも編集者への不信感が拭いきれなくて、今後の担当者との意思疎通に問題が出たかもしれない。
つまり、安井が潰したかもしれない1人の漫画家を小熊が掬い上げた形になっており、こういう結末がなければ、いかに安井が雑誌全体のために自分の純情を犠牲にしているといっても、やはり悪者でしかないということになってしまう。
本当に今回は良く出来た構成だと思う。東江さんが頑張れそうで良かったと、心から思う。現実は、あのように扱われて消えるくらいなら大した才能ではないということなのだろうが、そのシビアさには震えがくる。そしてその厳しさを一身に引き受けている安井を、正しいとはとても言えないけど、だからといってやっぱり責められない…と感じてしまう。本当に世の中は、仕事は、厳しく苦いものなんだ。
ふつーのドラマ。
どこかで見たことがあるようなキャスト、新鮮味がほとんない。
脇役を人気俳優で揃えてるので、好感度は高いでしょうが、どこかで見た感、既視勘、強すぎです。
原作のある漫画らしいですが、テイストや演出が去年当たった「コウノドリ」にそっくりです。
主役・脇役も同じような俳優ばかりで、これじゃドラマが廃れていくのもわかる。無理やり感動させようとしすぎ。
黒木華という女優さんは、とびっきりの美人ではないけど愛嬌のあるルックスと抜群の演技力で、今や日本を代表する若手実力派女優だと思います。とくに役作りに対するこだわりは人一倍強く、撮影開始の数か月前から日体大女子柔道部の道場に通い、柔道についての知識と実技の習得に自ら取り組んでいたそうです。背筋のピーンと伸びた立ち姿やキビキビとした動作などにその成果は良くでていました。その取り組み姿勢は他の共演者からも一目置かれていて、松重豊氏からは敬意を込めて「日本の宝」と評されていたそうです。
黒木華という女優の最大の魅力は、くるくると良く動く目と口角の上げ下げによって作られる顔の表情の豊かさです。それにより主人公の心の動きを巧みに表現し、観る者にダイレクトに訴えかけてきます。喜怒哀楽といった単純な表現で演じるのではなく、細やかな心のひだを見事に表現できる稀有な女優さんだと思います。テレビドラマのいわゆる美人女優と呼ばれている表情の乏しい女優さん達が逆立ちしても到底及ばない領域でしょう。今回のドラマでも心が毎回のように泣くシーンがありましたが、どれ一つとして同じ演技はなくて、その時々の心の心情の違いを巧みに演じていて感心しました。いまや泣きの演技では彼女の右に出る者はおらず、新「涙の女王」と呼ぶに相応しい女優さんだと思います。
黒木華という女優さんはその落ち着いた容貌から今までシリアスな役柄が多かったように思いますが、今回の心役ではコミカルな演技でもその実力をいかんなく発揮していました。特に壬生とのからみのシーンでのコミカルな演技では、間の取り方なんかでさすがは関西人と思わせる勘の良さ感じました。
このドラマの心役に、当初は能年玲奈や有村架純等の名前が挙がっていたということですが、黒木華で大正解でした。他の女優さんではこのドラマがこれ程までに盛り上がることはなかっただろうと想像します。主役の取組み姿勢や頑張りが周りの役者達を刺激し、その相乗効果でドラマ全体が盛り上がる。京都の大学で演劇を専攻し、主役(=座長)の役割をよく理解している黒木華が主役だったからこそ、このドラマが成功したと言えるのではないでしょうか。
イケメン俳優やモデルなどのアイドルタレントを大勢集めて、中身の乏しい恋愛ドラマばかりが溢れている昨今のテレビドラマの中にあって、この『重版出来』は大人の鑑賞に堪えうる本当に面白いドラマでした。
脚本、配役、演出の3つが揃わないと良いドラマは作れないと言われますが、この『重版出来』はさらに作り手全員の「本当に面白いドラマを作るんだ」といった熱い思いが伝わってきました。
TBSをはじめ制作に携わったすべての方に感謝いたします。
昔のドラマは、時代背景もあり、元気をくれる番組があった。時間ですよ、金八先生など。昼ドラマでありながら、今の井上真央ちゃんを作ったキッズウォーなど。最近では、空飛ぶ広報室やコウノドリ。TBSは丁寧である。若手でも、実力者を使う。アイドルだけの人は使わない。視聴率には、難しい。
この番組がもし、日曜枠だったらどうなっていたのだろう?漫画好きや映像好き、同業者は見てるので、火曜でもそんなに悪くなかった。ライバルも良かったと思う。つまり、家族で見れたら、ドラマ史上に影響をあたえていたと思う。確かに熱い、でも、笑いのセンスや豪華なゲスト、絶賛される洋服や音楽このバランスが、満足度を作る。何回も見たいから、bluerayも好調。見てない人に薦めたい気持ちさえ出てきてしまう。製作スタッフの皆様有難うございました。
「挫けそうになった時、道に迷った時、思い出そう。心が震えた瞬間を。…そして毎日を生きて行く」
心の最後の言葉を改めて思い出すと、心震える瞬間ってこのドラマを見ている時間のことだったなあ、と。そして、人生はそんな輝かしい瞬間よりは、平凡な毎日の方が遥かに長い。そういう日々を一歩一歩、大事に生きようと、ちゃんと最後に言ってるんだよね。
名言の多いドラマだった。その中でも、聞いた時はピンとこなかったのに、時間が経った今、呪文のように唱える言葉は、小泉君の「普通に頑張ろう」だったりする。普通に日々を頑張るって一番、難しくて大切なことだよなあ。
このドラマを見た時の熱を忘れないように、「普通に頑張ろう」って自分に声掛けしてる。
最終回も素晴らしかった。丁寧に描写されてきた中田伯はもちろん、三蔵山先生も影の主人公だったとは。中田伯を見出し、三蔵山先生を窮地から救った黒沢心は最高の主人公だっ!!彼女がいなければ影の主人公たちは漫画家の道が絶たれていたかもしれないと思うと感慨深い。
最終回はここで終わりでもいいんじゃないかと思うほど綺麗に終わったが、続編はぜひやってほしい。これだけ愛されているドラマはなかなか無いと思うから。視聴者だけでなく、出演者にも愛されるドラマ。ムロツヨシさんをして「思い入れ持っちゃいました」と言わしめ、更にはベテランである小日向さんをして「三蔵山という役に出逢えて、この歳まで俳優を続けて良かった、ご褒美のような作品」と言わしめる。こんな素晴らしい作品をここで終わらせるのはもったいない。
遅ればせながら本日DVDの応募ハガキを出したが、そこに感想と共に続編希望の旨を書いた(見てもらえるかはわからないが)。この作品を、この作品のキャラたちが紡ぐ物語をもっと見たいから。
沼田さん、東江さん、壬生、メロンヌ先生と苦い思いをした人達全員に最終回で明るい未来がほの見えるようにしているのが、現実はこんな風はならないよなあ、と思いつつも、このドラマの良い所、爽やかで希望が持てる所なのである。
そうはわかっているのだけど、沼田さんにだけは私は並々ならぬ思い入れを持っているので、普通に「幸せで良かった」という感想だけにとどまれなかった。
アシスタントしてる時の沼田さんは、トレーナーの袖を長く伸ばして手を隠しちゃってる所とか喋り方とか、視線の泳ぎ方とか、全てにおいて40歳としては有り得ないような浮世離れ感が漂っていたのに、最終回でのスーツ姿を見て「なんかあっという間に一般人化した!」と思った。
この人、戻ろうと思えばいつでも堅気の世界(っていう表現もアレだけど)に戻れちゃう人だったんだよね。元々、自分が突出するより気遣いの人、というのは描かれてたしね。漫画でしか生きられない中田伯とはやっぱり、根本が違ったんだ…ってことをあのワンシーンだけで納得させるムロツヨシはすごい。その変化に全く違和感を感じなかった。ぐずぐずアシスタント続けてた沼田さんも、あっさり結婚して家継いで年相応の人生を歩んでいる沼田さんも、どちらもらしいと自然に思える。と同時に、あの夢を追っていた沼田さん、夢破れて少年のように泣きながら走っていた沼田さんはもういないんだなー、と寂しくもなったりして…。
うーん、今日は一日中、主題歌が頭から離れないなあ。ちょっと思い入れて見過ぎたかなあ。まだ夢から醒めない感じ。
漫画家にとって人気作と自分が描きたい作品とは必ずしも一致しないんですね。だから本当に描きたい作品を描かせてくれる他社移籍に心が揺れる。
五百旗頭は過去、そんな漫画家の心に寄り添い、漫画家のためを思ってライバル社に快く送り出したけれど、漫画家のほうは引き止められなかったことに冷淡さを感じ恨んでいた。
うーん、難しいんだなぁ。
そんな後悔があったからこそ、今回の高畑の移籍話では「僕はツノひめが大好きです!」と思い残すことがないよう気持ちの丈をぶちつけた。
家庭でも常に冷静で妻に去られても追わなかった五百旗頭が、高畑に想いを告げるために夜の街をひた走った。
その熱い想いが通じて本当によかったです。泣けました。
心が憧れる五百旗頭にも人間的葛藤があった。ほんと、いいお話でした。
そして実人生での支配される恐怖を一心に漫画にぶつけてきた中田伯がついに連載獲得。それを正確に理解した心のプレゼンも素晴らしかったけど、「生きててよかった! 生まれてきてよかった!」という中田伯の魂の叫びには心から感動しました。
本当に、登場人物の一人一人がリアルに生きている。
喜びも悲しみも我がことのように共感できる。
単なるお仕事ドラマを超えた素晴らしい人間ドラマだと思います。
今回とても良かったです・・・特に沼田と中田の別れのシーン。
ムロさん、こういう抑えた、葛藤する役いいですね。周りが分からないだけ、いつか自分の才能を認めてくれる編集者が現れる。そう思って分からせる努力をしてこなかった。漫画家じゃなくても、色んな大人の心に響くお話だったと思います。
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