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交流を深めていく中で、少年は田中さんの戦争体験を聞き・・・。
小学6年生と81歳との友情を描く、ハートウォーミングな物語。
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正義の国の軍国少年としての教育を何の疑念もなく信奉し、父が戦死しても兄が戦死しても、国のための名誉と思い込もうと悲しみを堪えた田中喜一さん。
でも、空襲が母と妹の命を奪い、日本は負けた。
そして、軍事教育をしていた教師たちは、その教育はなかったことにしろと、教科書に墨を塗らせる。
これだけの理不尽な運命に翻弄されながら、田中さんは誰を恨むわけではなく、今生きていることに感謝し続けていた。
彼の中で時間の流れは止まり、その後の世の中の流れとは無縁で、永遠の少年だった。
拓人たちが田中さんに会ったとき、田中さんはお地蔵様に勘違いされた。田中さんは、少年の菩薩様だった。
拓人たちは、何事にも感謝の心をもち、人に命ずることを絶対しようとしない田中さんを人として尊敬すると同時に、なぜ田中さんが怒らないのか不思議だった。
でも、語り部として学校に呼んだ田中さんの深い悲しみと怒りを知った。そして、田中さんがその感情を露わにして生きるのではなく、感謝をすることで憎しみ合い争い合うことを無くそうとしていることに気づけたのだと思う。
少年の心を持ち続けた田中さんが、拓人に生まれて初めて友情をもって接しられ、彼からもらったチョコバナナが一番好きな食べ物だと学校で言ったとき、究極の反戦だと思った。田中さん、妹にチョコバナを食べさせたかったろうな。田中さんに「好きな食べ物は何ですか?」と質問した子は、妹の二役だったと思う。
我が家でも今日、チョコバナナをつくって仏壇に供えた。
小学校の頃、道徳の時間で見るような感じのドラマだった(褒めている)。この年代の小学生男児はいうことを聞くいい子が多いのよね~、お友達もいい子が揃ってる。
いろいろ考えさせられる内容だった。
岸部さんの後ろ姿がなんとも言えなかった。
戦時中から「自分は心の中では戦争反対だった」っていう作りのドラマが多かったと思うんですが、自分は軍国少年だった、という話はかえって真実味があってよかった。
歴史の勉強として知っていると経験した知っているは全然違うよね~と。
岸部一徳さんの名優加減が凄い。
ぬぼーと立ってゆるーく話すのにおかしみがほんのり伝わって、子どもたちが馴染んでいくのがなんら無理なく。
チョコバナナが美味しい、ありがとう、でもう沁みて沁みて。
そして講演。質問が素朴だったり無遠慮だったりしてもそこに丁寧に心をこめて答えていくとそこには「本当の言葉」が。何年も沈殿して出して来なかった、想いが。出てくる。
脚本も丁寧でした。
今ある、「どこで遊べばいいのさ」という理不尽さや、僕には何もないという子どもの本音を決して軽くは扱わない。
知らない大人の住まいに子どもが出入りする流れはまず義理堅くお節介型のお母さんがこの人大丈夫と判断してから始まるという展開に対する配慮もあり。
講演会を「友達のことをみんなに知ってほしい」という、頭でっかちな発表会ではないとした点や、何人という数字じゃないんだというメッセージや当事者が経験を語れなくなってからも触れた者が伝導していくという着地も。
やっと録画を見られました。
本当にすばらしい。押し付けもない田中さんの姿や言葉が深く網膜に焼き付いてしまった。
多くの方に再生されますよ。
ちゃんねるレビューの住人でない人がこの世にどれだけいらっしゃるか一向にご存知ないようですね。
こういう方が批判されたら光栄ですね。
田中さんが、戦争体験の語り部として、しきりに70年前と言ったのには違和感を覚えていたのだが、ラストでようやく種明かしされた。
これは10年前の話だった。
それが何を意味するかは一目瞭然。
それだけ、戦時中・戦後に何が起きたかを語れる戦争体験者の数が減り続けているという事実。
10年後には、もっと減っているであろうし、もっと風化が進んでしまう恐れだってある。
そして、何の迷いもなく、同じような過ちを繰り返してしまう危険だって拭えない。
このドラマは、私たちに突き付けられた重い宿題だと理解した。
いや、すごく面白かったのではない…70年間の田中さんの悲しみや寂しさが、そして優しさがすごく伝わってきて、チョコバナナに込めた(世代を超えた)友情に泣かされた。胸に込み上げてくるものがあった。視聴して本当に良かった。教訓も与えられた。国が強調する話にはまずは疑いを持たないといけない。大きな嘘に騙されないように。
家族が全員死んで、神社の管理人さんをやりながら静かに鎮魂の気持ちと共に生きてきた田中さん、スピーチ中も涙一つ見せずに淡々と話をする姿がかえって悲しい。
子ども達の演技がうま過ぎて、これもまた良し。田中さんの講演が終わり質問コーナーへと。最後に質問した子どもの質問内容は中高生並の質問。返答に困った田中さんは飾らず穏やかに、戦争は反対と言った。
田中さんは自分を襲った不幸に泣いた日々が続いたことであろう。しかし、周りの人達の善意で粛々と生きてきた。些細なことに「ありがとう」を言い、不意に出会った少年たちと余生を十分幸せに生きたと思いたい。お気に入りの食べ物は少年が田中さんに買ってあげた「チョコバナナ」。これを言った後、少年をちらっと見る田中さん。友情を初めて知った嬉しさからなのか。
こんな人生って自分を嘆かないで、家族の分まで生き抜いた田中さんの意を感じ取り、昔は小学校6年だった僕が神社を守っている姿が嬉しい限りだ。語らなければ、先の戦争は百年後には風化していくだろう。
終戦記念日にやるドラマ。タイガースサリーが今では押しも押されぬ重鎮俳優に。
小学生は昔の話が大好き、特におじいちゃんおばあちゃんから聴いた実体験に基づいた話は大人になっても覚えている。
期待大!12才と81才の交流も楽しみの一つ。主役の小学生の演技次第か!
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