“夢なんかあったかなあ…”とふとつぶやく伊織。
今は元カレが置いていったウサギの耳助が唯一の家族。
高校までは抱いていた小説家になる夢も忘れ、なんとなく豊岡に移り住み、鞄(かばん)づくりの学校に通う。
高校生の時、最初に書いた小説のタイトルが「楽園に...
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“夢なんかあったかなあ…”とふとつぶやく伊織。
今は元カレが置いていったウサギの耳助が唯一の家族。
高校までは抱いていた小説家になる夢も忘れ、なんとなく豊岡に移り住み、鞄(かばん)づくりの学校に通う。
高校生の時、最初に書いた小説のタイトルが「楽園にゆこう」。
突然の落雷で死んでしまった女子高生たちがあの世で好き放題するという“女子高生ゴースト的な物語”…
いつも「死んだら楽になる」という物語ばかり書いていた。
今は、ひたすら図面をひき、皮革を切り、ミシンを踏む日々…
まるでロボットのように。
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