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販売部数20万部超え、2020年本屋大賞第2位という小川糸さんの話題作を早くも実写化!
ある島のホスピス「ライオンの家」で、人生の最後の日々を生きるヒロインと仲間たちとの素晴らしき出会い、命の輝きを描いた感動の物語です。
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ひざひざに死ぬドラマをみた。自分の中では主人公が最初から死ぬテーマの作品は一つのジャンルで子供の頃からある種卑怯な分野と感じていて、死を扱うからある程度の感動が内包されていてある種の違和感を感じていた。
こういう作品は誰を視聴者、読者に想定してつくられるのだろう。子供の頃はある種のあざとさに違和感を感じたし、大人になってからは結末の現実性がどうにも嫌だった。おそらくこれの前に最後まで見た死ぬドラマの1リットルの涙は脚色ありとはいえ、実話だから許せたが、「どうして病気は私を選んだの?」はリアルすぎて死病ではないが、自分もそうだったから今でも忘れられない。あのハズレくじにあたった感覚は客観的に楽しめる立場なら楽しめるのだろうか。
1話をみたかぎりでは女性的な作品である。おそらく悪人はでてこないし、29歳の女性が家族の協力もなく、あんなホスピスに入居できるのかと思うし、マドンナなど24時間勤務なのかと思ったり、いろいろファンタジー的色彩が強い。
悪くはないが、病気治療中としては何とも客観的に楽しめる感じではない。ある程度わかってはいたが、CMからつい録画の自分が悪いのだろう。本当に客観的にこういうドラマを楽しめるのは自分が病気にならないと感じている健康人なのだろうか。そんな立場になりたいものだと思うが、子供のときでも無理だった自分は何なのだろうとある種の疎外感を感じてしまう。
ドラマのつくりとしては悪くないが、自分には見続けるのは無理かな。いつも思うが、こういう創作をする人間は自分のときは客観的に受け止められるのかな。どうにも死をもてあそんでいるとしか思えないのだが。
この手のテーマは映画などの短期決戦はともかく1リットルのような実話でもないとどうも録画で終わってしまう。「僕のいた時間」もつくりはよかったが、挫折して録画で終わっているが、主人公の三浦春馬がリアルに踏襲してこれはこれで自分には見れないだろう。死ぬ作品というジャンルは自分の中ではいろいろ難しい。
もも太郎と言われてた小さな女の子のももちゃん(渋谷南那さん9歳)。水族館で見た大好きな二頭のイルカさんと遠い国に安らかに旅立って行きました。水族館を模した部屋をライオンの家の人達と家族で作ってくれましたね。アップルパイが食べたい、と言う夢が最後に叶いました。死後の世界には知ってる人がいないからいつかは友達になって欲しい、と雫に頼んでましたね。星野真里さんの優しいお母さん。逆さに硬貨を入れる特技の手伝いをしてくれたお兄さんも優しい人でした。「長く生きられないから早く大人になっちゃったのかな」。そんな大人びた台詞にドキリとさせられます。
もう車椅子に乗らなくても息苦しい思いで話さなくても自由に立ったり坐ったり泳いだりできるね。そう、これからもずっといつまでも友達だよ。
雫、ほのかに思いを寄せていた竜星涼さんの田陽地には柳生みゆさん(「カーネーション」「あさが来た」に出てましたね)の純と言うガールフレンドがいた。平静を装っても残り少ない人生の心のささやかな支えのつっかえ棒が外された感じでショックが微かに表情に出る。土村芳さんの演技が上手い。「もうこの道通るの止めようかな」。
育ての父親の石丸幹二さん、雫がマンションを出たのも勤務先を辞めたのも知らなかった。信頼していた育ての父親が結婚して子供が生まれると居場所がなくなるよね。
「引きこもり先生」の佐藤二朗さんと母嫌役の白石加代子さんと言い、今日の星野真里さんやライオンの家責任者の鈴木京香さんと言い、思いやりに溢れる優しい人達に囲まれて見ていて辛い話でも幸福感がこみ上げてくる。
モモちゃんも先週のタケオさんも遠い国に行ったけれど、向こうの世界でもどうか幸せでありますように。
途中から辛くなって視聴やめました。ヒロインは朝ドラマの頃から好きな方。この主演ドラマは観ないかわり【美味しい給食】は観ました。
グレーテルのかまどで、原作者がおやつのある人生を選ぶ と言ってました。
過酷な抗がん剤治療、副作用、余命宣告、延命有無等、このドラマとほぼ同時進行で我が家も看とりがありました。
このドラマの視聴は中途で止めました。
もう少し落ち着いたら
時間薬が効いてきたら
今日グレーテルのかまどを観ていて、再放送でもあれば視聴出来たらと思いました。
最終回、亡くなったあとに空気を温かくしたのが良かった。
1話1話が感動的だが重く、一挙再放送を録画したものの見終わるのに数か月かかった程なのでホッとした。
ラストシーンはマドンナさんが散骨の為に車を出したところで唐突に終わった。
ひょっとすると録画ミスかも知れないが、この終わり方に違和感を覚えると同時に、彼らの生活はまだまだ続くのだ。
いつまでも落ち込んではいられないという意味にも思えた。
小川糸さんの人気原作の雰囲気そのままに、素敵なドラマに仕上がっていた。
BSプレミアム枠でブレイキングバッドやられても……。そういうのは配信か日テレ日曜枠でいいし、原作内容を変えてまで、わざわざバッドエンディングにする必要もないと思う。
今エンタメ性とか捻りを意識してる作品が多いので(それで変なことになってるものも)こういう心理描写を丁寧に扱ったドラマは貴重だったし、1クールに一つはほしい。
少なくとも高齢者視聴が多い同枠では、この描き方が成功していたと思う。
静かなドラマを楽しみたい人もたくさんいる。
良い作品でしたけど、雫にとっては最後の思い出にということだったけれど、タヒチさんにとってはキスされてしまったのってどうだったのかなってところだけはちょっと気になってしまったかな。
これタヒチさんに彼女がいてもいなくてもしちゃうの?
亡くなる人のワガママってことで許されちゃうのかな?
いままで苦労して育ててくれた父親に連絡もせず、一回だけの面会で終わらせるなんてあまりにも無神経すぎるのでは?と思えたので、全く感情移入ができなかった。
同業なので最初は(こんなの理想だよな……)って思ってたけど、原作読んでるし、なんだかんだ最後まで楽しめた。
入居費は、一話で病院が併設されてたから保険適用になると思うし、地方が舞台ならそんなに高くないんじゃないかな。今は保証制度もたくさんあるし。こんなに入居者が少なくてやっていけるのかなとは思うけど、医療監修が入ってるから一般OLでも入居できる設定にしてあるような気がする。
私が気になったのは、主人公がずっとミナの服着てること笑 めちゃくちゃ金持ちじゃん。あと認知症かガン患者しかいなかったけど、実際にはALSの人とかもいて……でもドラマじゃ出せないよね。マスターが病気の進行が遅くて退所する流れに変わってたけど、そういう人は本当にいるからリアルだった。
私は原作よりこっちの方が好きかな。ファンタジー要素が抑えられてて。原作は綺麗すぎるっていうか、ちょっと宗教じみてた笑
途中友達や元同僚とかの思い出に浸るシーンが無ければ、切なすぎてどうにかなるかと思った。あの中休み的なシーンのお陰で心の平安を取り戻せて助かりました。それぐらい悲しくて涙が止まらなかった。でも最後の明日葉モンブランでまたきました。
自分も誰かの光になれてればいいけど言い切れる自信がない。これからどう生きたらいいのか考えるきっかけになりました。
キャストが素晴らしく良かったです。全ての人が合っていた。もちろん六花も含めて。
ジャンルが好みでない方が一生懸命評価を下げてる感じでしょうか笑
推しがいないという声もありましたが、私は土村さん推せました。
死に向かう演技、すごかったです。
原作とはイメージが違いましたが、鈴木杏香さんのマドンナさんも良かったです。
「ライオンのおやつ」最終回でした。見ていて、三回忌を終えた父の最期と長く生きられない自分が重なって(病気自慢ではありません。人生の終わりに病気自慢ってあまりに滑稽で惨めです)涙が冒頭から止まりませんでした。
雫(土村芳さん)の亡くなった実の母親に「先生」(三浦浩一さん)の若き日の奥さん役の佐津川愛美さんが二役で登場、犬の六花の亡き飼い主に田中麗奈さんが出演でヒロインと夢の中で明るく語り合う場面がありました。亡くなった人達が次々現れるって死期の近い暗示ですね。
医師が言ってましたが死の直前は酸素吸入しても血中の二酸化炭素濃度が高くほろ酔いのような感覚になるらしいです。雫は恐らくモルヒネ等の麻酔の影響で意識がもうろうとしつつも安らかなのでしょう。私も心臓手術の麻酔が醒めた直後ベッドの周囲をディズニーのアニメキャラクターが取り囲んでガヤガヤ話してる幻覚を見ました。
雫の女友達や職場の元同僚や中学時代の級友や昔住んでた近所のお爺さんが雫の思い出話をしている場面。多くの人から愛され恵まれた人生だったのですね。育ての親の叔父さん(石丸幹二さん)がチェロで「見上げてごらん夜の星を」を弾く場面で聞いている妻(西田尚美さん)と娘(新井美羽さん)に横に幼い日の雫が。感傷的な場面ですね。夜空の星々も平凡な一人の人間にも幸せを祈ってくれている。
雫が臨終の間際にタヒチ(竜星涼さん)が天使の階段(薄明光線:天空の雲の切れ間からさす光)に向かって「雫さん、また逢いましょう!」と叫ぶ。あの階段を天上世界に向かって雫は昇って行くのですね。
「先生」とシマさん(かとうかずこさん)らが夢で見た明日葉モンブラン。そこは亡くなったタケオさん(綾田俊樹さん)、ももちゃん(渋谷南那さん)、粟鳥洲(和田正人さん)が元気で明るく語り合い認知症のはずのシスター(梅沢昌代さん)も健康そのものの笑顔でしっかり語り掛ける。夢の中は幸福に満ちていた。再現しようと舞さん(濱田マリさん)らが作りタヒチと純(柳生みゆさん)もやってくる。
明日葉モンブランも私は食べられない。生野菜(カリウム)や乳製品(無機リン)の摂取が厳しく制限されてるから。せめて一口だけ。土村さんはダイエットして役作りしたのでしょうが実際は頬がこけて人相が変わります。モルヒネ注射も辛かったでしょう。抗がん剤で髪は抜けウィッグを付けねばならない。現実世界は辛い。
でも、ドラマの中だけでも全八話、私はとても幸せでした。本当にありがとうございました。
これで泣かない人がいるのかね。
ラストの竜星くんとの対話。
血の気がない顔色、浮き出た鎖骨、弱々しい涙。
真に迫る土村さんの芝居が超絶すぎて涙腺がもたない。
タヒチの懐の深さにも感服する。
今日は粟鳥洲が亡くなりました。名前の由来が下ネタと言う「先生」は笑うところだったのですかね。
粟鳥洲、キャリア組のエリート官僚だったみたいですね。それで敢えてちゃらんぽらんな人物をバサバサ髪のヘアスタイルからアロハシャツも含めて演じていたのですね。雫のように徐々に弱らず突然死は心臓関係なら十分あります。歩く途中で苦しそうになるのは低血圧症状に見えました。純に失恋でもいいから思いを打ち明けられて良かったですね。純さん、私はタヒチさんとお付き合いしています、とは言えませんでしたね。粟鳥洲が落ち込むからでしょうか。それと雫の耳に入れたくなかったのでしょう。タヒチ同様に優しい人です。雫はドラマではあの描写が限界ですが痛みで食べ物が喉を通らなくなりモルヒネ注射で痛みを抑えてるのでしょうが一種の麻薬で長期間は使えません。死期が近いと言うことです。実際は頬がこけ人相が変わりますが。そこはドラマですから。
シスターは認知症なのですね。実際は排便や入浴が大変なのですが、そこまでは悪くないのかな。それともドラマ上描写しないか。マスターも部屋に排尿器のようなものがあったような。
夫が海で遭難死し、ヘルパーさんが家族を亡くし打ちひしがれてる時に礼拝堂で「私もそうなの」と寄り添ってくれた。それでも幸福感に満ちた笑顔を絶やさないシスター。童女に帰ったかのようです。
マドンナが雫に言います。「思いっきり不幸を吸い込んで吐く息を感謝に変えれば、人生は光り輝く」。そうですね、そうですよね。
体は死に向かって衰えて行っても、心はますます思いやりと感謝で生きていけば、きっと幸せに生きていける。前を向いて歩めるのですね。
現実世界が修羅の世界であることが多いからこそ、限りある人生を私自身も精一杯楽しく感動を語り合って生きていきたいと思います。
来週が最終回なのですね。「人生は私への贈り物でした」。泣かないでしっかり見よう。
先週の続きの竜星涼さんのタヒチにキスする土村芳さんの雫。もう立てないから車椅子を押してもらい、ライオンの家に戻ってきた。物陰から見ていた粟鳥洲が「負けてはおれん」と呟き、こんなに哀しい話なのに思わず笑ってしまう。雫を巡る恋のさや当てかと思ったら違った。
髪を整えきちんとした身なりで藤田弓子さんと堀内正美さんの両親とホテルのカフェで会う粟鳥洲。両親は親しげに話しかけるが粟鳥洲は固い表情を崩さず敬語だ。自宅に帰るのを拒否し別れて帰る途中、目まいでよろける。偶然に車で通りかかったタヒチのガールフレンドの柳生みゆさんの純に声をかけられ、とても嬉しそうだ。目がハート。そうか、自分も淡い思いでいいから素敵な恋をしたかったのだ。
シマさん(かとうかずこさん)が病に倒れリクエストの母が幼少時に作ってくれた牡丹餅をリクエスト。妹のマイさん(濱田マリさん)が作るが小豆がまだ固い。それが却って母の味に似てると笑顔。美味しい以前に幼い日を思い出すささやかな幸せ。あの「先生」(三浦浩一さん)も上機嫌だ。
マスター(モロ師岡さん)は病状が安定してるので自宅に帰る。「裏切者」と冗談を言って「そんなことはない」と笑顔の雫。これは本心は寂しいのだ。だから下手な冗談を言うのだ。マスターの息子がライオンの家で調理の仕事を未経験者だがやりたい、と言う。父親を見て身近に人の役に立つ仕事を、と思ったのだろう。
雫はおやつが食べられないくらいに弱っていく。でも、残った日を一生懸命生きようとする姿に心を打たれる。
今日は泣かないで、いい話で終わったな、と予告編を見たらネタバレ厳禁だから絶対に書けないが、どっと涙が噴き出た。ちょっと止めてくれないかな。
最後の最後まで、誠実に一生懸命生きることの素晴らしさと、ささやかな幸せを見つける喜び。
来週はちょっと辛そうだが泣かずに見よう。
今回の話しはやばかったです。父の戸惑いや、早苗さんとのぎこちない感じ。繊細な感情が伝わってきました。特に父との関係性が素敵で、回想シーンになる度に涙が出ました。早苗さんに嫉妬心を抱くのは無理ないですね。実の娘ではないのにあんなに楽しく優しく育ててくれて。ミルクレープを食べて泣き崩れる父の姿はやばかったです。今までずっと感情を出せないでいた父の想いがあふれた瞬間でした。観ているこちらも泣き崩れました。
冒頭からあっと思いました。イルカさんと共にバーチャル空間で両手両足も自由になって遠い国に旅立った幼いももちゃん(渋谷南那さん)が、荒んだ人生を歩んできた三浦浩一さん演じる「先生」とこんなつながりがあるなんて。
離婚した妻(根岸季衣さん)からの荷物整理で、ももちゃんが部屋に残した茶目っ気たっぷりの何かがある場所の指すメモが見つかる。次々指示する場所が変わり、ももちゃんの子供らしい愛嬌にいつしか「先生」も笑顔に。そして最後に見つけた「ママとお兄ちゃん、大好きだよ」の言葉。泣き崩れる星野真里さん。「先生」は以来、人が変わった。キャッチボールするマスター(モロ師岡さん)の息子(萩原利久さん)とももちゃんの兄に声をかけ笑顔、おやつタイムも気軽にジョークを飛ばし皆を笑わせる。粟鳥洲(和田正人さん)が寒いギャグの「国家機密を扱っていた」と話し出すといつも白けた風に席を離れるマスターはこのドラマで唯一笑える箸休め。かく言う粟鳥洲が身寄りがなさそうなのを問われ黙り込む場面にハッとする。
雫の育ての親の叔父一家が来る。実際にチェロの心得ある石丸さん演じる叔父が練習してる時に電話で当時幼かった雫の両親が恐らく事故死した通報で病院に駆けつける場面。結婚相手の西田尚美さん念じる義理の叔母と新しく生まれた女児に遠慮し家を出る雫。今日は車椅子を押してもらいお互い本音が言えた。「苦手だった」と雫。「逃げるように出ていかなくても」と叔母。「親子になれなくても友達として美味しい店を紹介したかった」と言う叔母に「あの汚い店でしょ」と本音の雫に笑み。叔母も思わず笑う。遠慮し合ってた二人で別に意地悪な言動で憎み合ってた訳ではない。だから一旦本音を言い合えば心が通じ合ったのだ。西田さん、「コントが始まる」では神木隆之介さんの息子に死の床で「ごめんね」と言って涙を流してたな、と思うと私も涙。
竜星涼さんのタヒチに思わず口付けの雫。初恋の人は片思いだったけど心残りは嫌だったのだろう。
各人各様、いろんな人生がある。悔いのない人生を送ってきたか、本当に自分にとって大切なものは人は何だったのか誰だったのか、考える。そして、最期は美しく終わりたいと思う。人生が引き算になる。
このドラマはいろいろ考えさせられる。「引きこもり先生」「コントが始まる」と並ぶ私の一押し作品だ。ただ、単に人が亡くなり悲しませるお涙頂戴ドラマでない工夫が私は好きだ。
次回も楽しみ。雫は弱ってきて歩行困難に。あと3回、精一杯生き抜いて欲しいと心から願う。
雫役の土村芳さん、「べっぴんさん」の君ちゃん、「この世界の片隅に」の松本穂香さん、伊藤沙莉さんの主婦仲間、と見てきましたが、今回は素晴らしい作品に巡り合いましたね。地上波で放送して欲しい作品です。
今日は殆ど泣かなかった。でもね、とても身につまされた。
「先生」と称する粗暴な三浦浩一さん扮するおっさんの新入居者。タケオさんやモモちゃんと違って修羅の世界で生きている。大声で喚き散らし暴言を吐きまくる。それは自分が直面した困難を受け止めきれない弱さから。若い日は佐津川愛美さんのような美しく優しい奥さんに当たり散らす。死を目前にしてとうとう耐えられず根岸季衣さんの老いた奥さんは自分を解放したく離婚届を持ってくる。「先生」は自分を受け止めてくれた雫と話し、自分が若い日に奥さんと出会った思い出の菓子を食べ徐々に心を開いてくる。興味深そうに見つめる和田正人さんの粟鳥洲、風貌も含め一見ちゃらんぽらんなようで人間観察が深い印象を受ける。「先生」は自分の意志で離婚届に印を押し郵便局に行くと言う。雫も決めた。自分を抑圧して無理をするのは止めよう。竜星涼さんのタヒチに「どうせ亡くなるんだから、やりたいように生きろ」と言ってもらうよう頼み、ウィッグを外し育ての父親に電話しガンであることを告げる。石丸幹二さんの育ての父親は本当にいい人。奥さんの西田尚美さんも娘の新井美羽さんも善意の持ち主。でもね、血のつながった家族には入っていけないんだよ。居場所がどうしてもない。
「おちょやん」でも私は千代の気持ちをそう言った。私は一匹狼だった。岡安も家庭劇も皆家族なんだ、と言う人ばかり。他者の批判じゃ決してない。ただ、私は人生生きてきて両親しか本当に自分を家族として愛してくれた人はいなかったからそう思った。栗子、春子がいて天上にテルヲとヨシヲとサエがいて、やっと千代は本当の家族に巡り合えたんだ、と思った。
淡い恋心があったタヒチには柳生みゆさん演じるガールフレンドがいて入り込めない。
でも、「先生」が行動したように雫も自分に無理をするのは止めて、思いっきり残りの人生を生きると決めた。マドンナ・ライオンの家の責任者の鈴木京香さんの演じた女性も両親を亡くし施設で育ち中学で育ての親に引き取られたが育ての父親も辛い最期を病院で遂げた。その鈴木京香さんが育ての父親にガンを告げホスピスにいると電話して涙にくれる雫の土村芳さんを思いっきり抱きしめる場面で一気に涙があふれ出た。
私は自分のことは極力書かない。でも現実世界はドラマのように善意の思いやりある人達で溢れてはいない。それこそ修羅の世界だ。だから、この作品の美しい世界に心が思いっきり癒される。来週も必ず見よう。
元気な人間は病を得た人の気持ちを理解しえないのか?
ずっと思っていたことをこのドラマを見ながら考えています。
タヒチ君という人の存在が大きくて、彼が雫さんに同情とか義務とかそういう気持ちで接しているのじゃないとずっと信じて見ています。
前の方のおっしゃったタヒチ君の思い私も何かあるのじゃないかと思っています。
大事な人が病を得たときに、支える立場の人は病の人の気持ちを尊重したくて調べたり耳を澄ませていつもより真剣に聞いたりしますが、痛みや辛さは共有できないもどかしさを感じるものだと思います。
でも元気だからこそ、寄り添える。そのゆとりが持てることを大切にケアに当たっているのではないかと、ライオンの家のスタッフや患者さんの家族を見ていて思うのです。
患者さんから見たらきっと我が身の健康も辛いものに見えるかもしれないそんな切なさを抱えながらも、患者さんのために尽くそうとする。
同じ人として考えよりそおうとする。現実には立ち入れない場所の人たちの気持ちをドラマを通じて見られるのがありがたいのです。
そして出てくるおやつが何ともおいしそう。
前回はモモちゃんリクエストのアップルパイが公正な抽選で選ばれ、間に合ったことをスタッフが喜び心込めて作り、モモちゃんに味わってもらうまでが描かれました。
実際にはなかなか難しいことかもしれないけれど、そこが描かれたこともとても希望になりました。
『押し』がいないとどうのこうのって…。
だったら、内容なんかどうでもよくて、何演じても同じに見える有名な(人気あるように事務所の力で見せかけてるような)俳優が出てりゃ満足ですか?あと、宣伝バンバンやってて(ただ皆が視てるからってだけの)中身薄でも面白いですか?
このドラマは派手さは無いですが、繊細なテーマを丁寧に優しく扱っていて、俳優の皆さんもそれぞれの個性が生きているように感じます。人生は「私失敗しないので」みたいな単純なもんじゃないですよ。
ロケーションが圧倒的。
赤いワンピと緑のコントラストの美しさ。
土村さん表現が難しい役だけど上手いなぁ。
最後の竜星涼のカットといい、
なんか三島みたいな耽美があるよ。