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夏目鏡子の追憶を従妹山田房子の視点から描いたドラマ「夏目漱石の妻」は、ふたりの生い立ちから親族との離反そして文豪の創作裏話と多岐にわたるエピソードを四つの章に分けて描き、各々が充実した作品として成立していて、とても見応えがありました。
尾野真千子のコミカルな演技資質と長谷川博己のシリアス演技の実力発揮が絶妙に溶け合い、そこから明治女の逞しさや辛抱強さと夏目漱石の命を賭けた創作活動が浮かび上がる人間ドラマになっていたと思います。
実父に棄てられ養父にも見棄てられた金之助が、夫となり父となって妻子に優しく接することが出来ぬ人間形成が興味深く、いかに幼少期に誰かに愛されていることの実感を得ることが大切かと、考えてしまいました。
そんなけして最良ではない夫婦仲が次から次へと子を授かるところなど、今の時代からは考えられないことですが、大戦前の男尊女卑の価値観を垣間見せる、家事育児全てを妻にあてがう世間一般の姿であったと思います。
女の子が四人連続とは、筋金入りの亭主関白と判断出来ます。男の身勝手さが許され当然視されていた時代。しかしそれ故、妻鏡子が子供の為に全てを金之助の作家人生に捧げた覚悟に彼女の強さ、生き様がユーモアを持って表現されていました。四話ともシリアスからユーモアの転換を巧みに行い、暗くなりすぎない配慮が行き届いた演出でした。夏目漱石を主人公にしたドラマではなく、あくまで妻鏡子の人柄に寄り添った明るさが救いになる、尾野真千子の演技と演出を評価すべきだと思います。
占いから金之助との結婚を決めた鏡子でしたが、金之助の小説家転職を切っ掛けに夫の関心事一切が小説になってしまったことは寂しかったと思います。けれどその創作に全精力を費やし、病と闘いながら名作を連作し命を削った夫を愛していたことは間違いないと思います。どんな仕事であれ、その仕事に命を賭ける男に女は惚れるし、経済的な見返りがあれば尚更でしょう。
愛情表現が出来ない金之助ではありましたが、退院したあと自宅に帰らず、修善寺の温泉宿に養生にいくことが、妻鏡子に余計な面倒をかけまいとする金之助の優しさと思いました。心配は要らないと手紙に書く念の押しようは、妻の介護をうける資格が自分にないとする孤独感も感じますが。様々な思いが交錯する第4話のクライマックスは良い場面でした。尾野・長谷川のひとりの妻・ひとりの夫の演技が素晴らしい。
そして、素晴らしい演出がラストシーンを見事に締め括りました。明暗のコントラストを強調した山肌の狭間に佇むふたりの絵画的ロングショット。明の鏡子、暗の金之助、そしてふたりの人生の明暗、夏目作品に捧げる演出の意図が表現された名シーンでした。隠れた肩越しから笑顔の鏡子が現れるカット、久しぶりに唸りました。この名作に相応しき名ラストシーンでした。
ひとつの夫婦の人生、裏と表・四方八方、そのまた奥深い人の心の闇と光を見せられたように感じた。常にお金の事で思い悩んでいるのだけど、お金とは生きていく為のもので身内との縁も切っても切れないもの、煩わしい人間関係も多々あるがすべて切っては生きてゆけず、押しては引き探っては信用して裏切られ。夫婦共に生きるとは何だろうと考えさせられる。
尾野さんの演技力には脱帽。鏡子が恵まれて甘やかされて育てられたという台詞にあったように、両親からの愛をたくさん受けて育てられた者が持つ光を秘めていた。
君はどこまでも君、良い台詞ですね。「夏目漱石の妻」というタイトルに偽りなしと感じる、物語は常に鏡子さん目線で進み鏡子さんの感情に寄り添うように作られていた。
新人の黒島結菜さんの語りも聞き取りやすく耳触りの良い声で演技も某民放ドラマで拝見した時よりも一段と良くなっていた。今後もこういった良作に出演して女優として羽ばたいていってほしい。
全体で印象深かったのは画が綺麗だったこと。背景に合わせて衣装や小道具だいぶ考慮されたのではないでしょうか、演出もなるほどと唸るシーンがあった。視聴者に媚びることのない質を追求した良い作品だった。
面白い!
「お金」と「身内(特に親子)」が引き起こす、内蔵をえぐられるような苦しみに、現在でも通用するリアリティを感じます。
夏目鏡子さんが『漱石の思い出』で、家庭での漱石の姿を歯に衣着せぬ調子で語ったとき、漱石の弟子の多くは怒り狂ったそうです。
敬愛する漱石先生がこんな酷い人のはずがない! という調子で。
漱石は内と外での顔がかなり違ったようですね。
ドラマでは、家族を守るために「鬼」の役を引き受ける鏡子と、父親や養父に苦しめられながらも、身内というのは自分が生きてきた証でもあるんだ、とつぶやく漱石の姿が印象的でした。
「貧すれば鈍する」という言葉にもあるように、金銭的に行き詰ったとき、「愛情」さえも売り渡さざるを得ない人間の卑しさや弱さ、哀しみを表現した、養父役の竹中さんの演技が見事でした。
とことんまで人間関係の地獄を味わい、逃げたくても逃げなかった漱石だからこそ、百年経っても古びることのない赤裸々な人間の姿を描き出すことができたのだなあ、と実感。
明治の「文豪」とその妻をモデルにしたドラマなのに、この夫婦を身近に感じます。
ああ、いいドラマだった! 久々にドラマに惹き込まれました。
親に捨てられ家族の愛を知らずに育ち、自分の気持ちを素直に表現できない気難し屋の漱石。
「奥さんを(私を)愛してますか」と新井や鏡子に迫られても何も言えない。でもその表情を見れば、言えなくても本当は愛してると言いたいことが伝わってくる。病で死の危機が迫った時、やはりそばにいてほしいのは鏡子。苦しい息ながら妻を呼び、大丈夫だ心配するなと安心させようとする姿には胸を打たれました。そんな漱石の屈折した愛情を長谷川さんが見事に演じきったと思います。
そして時に嫉妬し夫を責めながらも、心から夫を愛し気丈に支え続ける妻の鏡子。しっかり者で子だくさん。神経質でともすれば弱気の夫を叱咤する強い女でありながら表情からは女の可愛らしさがにじみ出る。尾野さんも本当に素晴らしかった。
漱石の壮絶な死で終わるかと思わせて、旅情あふれる美しい自然の風景の中、夫婦が互いの存在を静かに確かめ合うようなしみじみしたラストもよかったです。鏡の一字で「きよ」と読む。それが本名。だから「坊ちゃんの」世話焼き女中のきよさんは私でしょ?それがなあなたの理想の女性よね?とお茶目に言う鏡子に「そうしておこう」と漱石が返すやり取りが粋でした。
本当に、見応えのある人間ドラマ。また漱石の本を読みたくなった。
うーん、ここまで辛い内容だけど感情移入してしまいました。
長谷川さんの片目をむくシーン上手だと思った、醸し出す雰囲気も徐々に漱石のイメージになってきた。
尾野さんは役にはまっている、彼女の雰囲気とはにかむような笑顔がチャーミングで数々の辛いエピソードの救いになっている。
当時の男女間の様子も共感できる、今ならDV・パワハラ訴訟とかイメージされそうですが、ああなんです日本は実際。そういう家は今でも普通に存在している。
健気についていく妻、いつしか尽くしてくれる妻に感謝する日がくるかもしれないしこないかもしれない・・
竹林のシーンは美しかった、いい演出だなと感じた
後半も楽しみです
尾野真千子さん、流石演技派女優さんです!とっても良かった、、漱石役の長谷川博己さんは、今「麒麟がくる」で主役なさっています。面白いですが、「漱石の妻」また観たいです。
録画したものをやっと見終わりましたが、とっても良かったです。
朝ドラのカーネーションが好きだったので、尾野真千子さんの演技には期待していたのですが、長谷川さんはよく知らず…ただ今回の漱石でとても上手い役者さんなんだなと驚きました。
漱石にとって鏡子は「坊ちゃん」のばあや、キヨのような人で、女性として愛する人ではなかったのかもしれないけど、いかに坊ちゃんが我が儘でもキヨが坊ちゃんを愛したように、鏡子は漱石のことを想っていたのだなと伝わってきました。美しい山々の風景と相まって良かったです。
鏡子の父は、没落しても尚変わらず品のある人柄でとても好きだったのですが四話で全く出てこず、完全に疎遠になってしまったのか気になり検索してしまいましたが、病没する前は鏡子が実家に泊まり込み看病を続けていたと知り、ホッとしました。
なんだか、一行で低評価の人ってなんなんでしょう。
駄目なら駄目の感想見たいんですけど・・・?
私は毎回楽しめた。
一話の中に緩急があって、ちょっとボーっとしちゃう場面も
あったけどほぼほぼのめり込んでしまった。
別にファンでもないけれどお二人の演技での闘いがすごくて
例えそこに共感することが無かったとしても(どちらも人としてはかなり欠けているところが多々合って)テレビの前から逃げられなかった。
なかなかあんな力作は見られないと思う。
しっかしあんな旦那様。外から見てなきゃ良さをくみ取れないので
自分ならとっくに離縁ですw
ある意味、作品自体が自立していると思うので、アンチやバイアス掛かった目がカナシイ…
この作品には巷の劣情を吹き飛ばすだけの熱量があった。視聴者の側にも自立を求めるだけの志があった。
作品と作り手に拍手を送りたい。
漱石ってあんな人じゃないでしょう。
エンタメ度が低く雰囲気だけだね。
朝ドラ嫌いだから余計に最終回見て損した気分になった。残念。長谷川さんがもてはやされてる理由がまったくわからない。
ラストのシーン素敵でしたね〜
2人の晴れやかな顔!
真っ只中にいる時は、試練、闘いと感じるような事も、ああやって乗り越えて見渡してみると、それ全て夫婦の歩み・人生そのものだったのかなぁ。
これでもか的な押しつけがましさ。
ひとりよがり。
でも賞狙いか?
「漱石夫妻の人生」を見せるのではなく、
「尾野真千子の演技」を見せてくる臭さ。
尾野真千子のアップが多すぎ。
そこまで寄るな。
漱石の悪いとこばっか描写して何もいいとこないし。
文豪や学者なんてひとでなしばかりですから。笑
こんな女房や家族が いたおかげて、今だにひとでなしが世にはびこってる場合もある。DNAは かえれません。ひととなりを知って 読まなくなった作家結構いるけど。
最終回となりました!
もう少し放送して欲しかったです。
スタジオパークでの長谷川さんと
夏目漱石!
つくづく役者さんだなぁと思いました。今夜楽しみにしています。
尾野真千子、竹中直人、長谷川博己の競演が素晴らしかった。
竹中直人演じる養父の哀しみ、長谷川博己演じる漱石の孤独感、そして、そんな漱石を誰よりもわかって受け入れ、共にその寂しさを共有している尾野真千子演じる鏡子の涙、それぞれに泣けて仕方なかった。
脚本も俳優もダメなドラマは、15分でも長く苦痛に感じられるけれど、素晴らしい脚本と演者が織りなすドラマは、2時間でも3時間でも短く感じる。
尾野真千子の芝居は、観ている者を同じ気持にさせる。気づいたら、彼女とともに笑い、泣いているのだ。
来週が最終回なんて、短すぎる。
いつまでも、2人のドラマを見続けていたい。
取り立てて、構成がすばらしい訳ではないのに、なぜこのドラマに魅かれるのだろう。内面の思惑や感情が表情等により手に取るように伝わるからだろうか。オーバーなリアクションなどなくても、とてもおもしろく、味わい深い。大好きなドラマだ。プラス長谷川博己さんが素敵だからかもしれない。
黒島結菜さんこんなドラマに出ていると演技の幅広がるだろうね。
主演の二人も上手いし、竹中直人・津田寛治・梶原善などいい役者がそろっている。
黒ネコも色・つや・ボリューム感いいね。
やっぱり面白い。軽妙でコミカルな夫婦のやり取りから始まって
中盤は濃厚な人間ドラマ、そして最後はまた軽く明るいタッチ。
75分の長さがあまり気にならないほど惹き込まれます。
家族の愛に恵まれなかった。幼くして養子に出され、そこで愛情たっぷりに育てられながら、実父の身勝手で再び実家に買い戻され、冷たく遇された。
有名になったからと金の無心にくる養父への複雑な思い。胃痛でのたうちながら「この人はいい父親だったんだ。たった一人の大事な父親だったんだ」と養父を見上げる漱石の葛藤に涙があふれました。その言葉に打たれ金をあきらめて帰る養父の苦悩も伝わります。奥さんにうるさく言われ恥を忍んで金の無心に来たけれど、昔のような交流を再開したいというのは本心だったのでしょう。竹中さんの人情味ある演技からはそう感じられました。
そして苦しむ夫のため、なけなしの100円を渡して念書を取り戻す鏡子も素晴らしい。夫のため、家族のため、心の弱い漱石にはできない汚れ役を迷わず行う強さがすごいです。
本当に、鏡子さんあっての漱石だったんでしょうね。
今日は長谷川さん、尾野さん、竹中さんの熱演に泣きました。
最終回も楽しみです。
確かに、1時間で5回に賛成!4回ではもったいない!
もっともっと見たい!
1話で流産して、長谷川博己さんの漱石が、妻を本当は大事に思ってた心境を明かし、その後の二人の心が近づいてもう一度子どもを授かるところを、2話の前に、見たかった。
2話になったら、突然駆けつけて生まれて、留学後の病んだ部分に
焦点が当てられてたが、その前も描いて、全5回にしてほしかった!
そして、ひろき漱石さんの素晴らしい猫声と猫と戯れる描写は、もっと長く見たいし、またやっていただきたい!
毎回、とてもジーンと来るシーンがあり良いドラマです。テンポがいまいちですが、とても丁寧に作られており、慣れて来ると心地よいです。長谷川さんのユーモアのある演技に救われてますね。
タイトルを「夏目漱石と妻」にした方がよい!
漱石あっての夫妻の物語。原作だって「漱石の思い出」だし。
鏡子の視点から書かれていても、二人の物語。
脚本の池端さんがオノマチひいきだからだけど、主演は長谷川博己さんの漱石だと思う。百歩譲ってもW主演に間違いなし!
2話、長谷川博己さんの猫まね、最高だった!
リピして幸せ味わえる!
長谷川さんと尾野真千子さんだから、このドラマが成り立っていると思った。この二人のキャスティング以外には考えられないとも思いながら、観ていました。
漱石の妻で尾野真千子さん主役でも、長谷川さんの漱石の表情ももっと見せてもらいたい。
二人の感情表現力、長谷川さんの顔のひとつひとつの細かい表情、素晴らしい!
長谷川博己さんの漱石の声や表情に、1話のラスト泣いた!!!
本当は「家族がほしい。」妻に気づかぬふりをしてしまったが、「こんな僕に弁当を届けてくれる人がいる。淋しくて顔を見に来てくれる人がいる」この声の語り方で、涙!涙!
なのに、カメラが「家族が欲しい」などの肝心な所で、語る長谷川漱石でなくオノマチを写す痛恨もミス、ここは、ずーっと漱石の表情の微妙な変化を定点カメラで写すべき肝心な所。長谷川博己さんの声の演技も素晴らしかったから、成立したけど、素直に写してほしかった!本当に素晴らしい演技には、カメラの切り替えなどは邪魔になる。
長谷川博己さんの「おバカだね」にも、心つかまれた!
お嬢様育ちの鏡子さんが実家の没落、夫の神経症など家計も苦しくなる中でも子供を育て、漱石の暴力も病気と割り切って逞しく肝っ玉母さんになっていく過程が丁寧に描かれてると思います。それだけではなくてとっても可愛い人だった様子が尾野さんの演技から伝わってきます。
本当、NHKだから作れるんだと思います。
長谷川さんもきっと漱石について調べ上げられたんでしょうね・・・
少し頑張り具合が出過ぎるような気もしますが尾野さんとの夫婦関係が良く表されていて「吾輩は猫である」になり面白くなってきました。
動物によって癒される・・・って良く分かります。
ラストまで見れば丁寧で面白かったですが
ま〜掴みの悪いドラマですね。
最初の方は見ようと思わないもの、退屈で。
そういう意味でエンタメ性は低い。真面目だし、まったりだし。
でもあの時代の男の身勝手さ、文豪のナイーブさ、精神の弱さ、
女の社会的身分の低さ、精神の強さが
よくあらわれている大人向けのドラマで、ラストあたりには引き込まれていました。
NHKじゃないと作れないドラマだなあ。
こういうドラマは必要だと思うので星5で。
やっぱりすごく面白い。
今日は、鏡子の父親の没落の話がつらかったけれど
漱石が義弟を呼んでどうにか工面したお金を渡したのにジーンとしました。
またノイローゼの漱石の粗暴ぶりもひどかったけれど、こちらは長谷川さんの表情作りが面白くてあまり深刻にならなかったのがいい。
それに気の強い鏡子が垣間見せる漱石への愛情がとてもいじらしく、
二人がやっぱり夫婦なんだなという感じがほっこりする。
ともかくオノマチさんと長谷川さんのお芝居、特に表情演技がすごく魅力的。
福猫君登場でいよいよ「吾輩は猫である」が誕生。英国留学で漱石がこれほど苦しんだとは知らなかったので、それを乗り越えた今後の作家人生が楽しみです。
これはまるで映画ですね カメラのアングルもBGMも
漱石の忘れたお弁当を届けるシーンは『初恋のきた道』
竹林の中に見え隠れする互いの姿 鏡子の乙女のような笑顔。
裏切られ続けて天真爛漫な彼女が病んで行く様はさすがオノマチ。
長谷川博己のまるで心の無いような妻への冷徹な演技も上手かった
猫も漱石も嫌いになりかけたほどにw
最後に本当の夫婦になる場面では自然に涙が溢れました
何も大袈裟なセリフも行為もなくただ手を握り合うだけなのに。
単なる小説家としてのほのぼの日常生活では無く夢を叶えて雲に乗る
漱石とその妻の波乱万丈の人生を敢えて描くのも頼もしいです。
こんなに質の高いドラマが見られて本当に嬉しい限りです。
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